2017年8月14日

英語嫌いは英語のせいではないかもしれない(ツイートまとめ)


〇〇嫌いというのは,なんらかの思い込み・先入観・親や他人からの刷り込みなどからくることが多いように思う.

自分の場合は,なにに影響されたのかはわからないが,いわゆる文系の科目が苦手であり,英語に関しては特にひどかった.


英語に関しては(特に高校入学以降)救いようのない状態が続いていた.苦手・嫌いから単語・熟語・構文などの基本的な部分を覚える気にならず,少々頑張った程度ではなにも頭に残らないという情けない状況だった.



この先生に当たったのが最初の転換点だった.必要な個所とそうでないところを峻別してくれたり(他の先生方はもともと英語が好き・得意なので実用的な部分とそうでない部分の区別の意識がなかったように思う),何よりも生徒を当てて答えさせることをしないというのが良かった(私にとってこれは大きかった).

大学に行く前に,一つ予備校の話があるw

予備校時代,一冊丸々やり終えた最初の問題集は,数学でも物理でもなく,長文英語だった.一冊やり終えたことで,実力がついたという感覚はなかったが,多少の自信にはなったような気がする.




時間が来たら,その英文和訳の説明があるわけだが,自分はかなりとんちんかんな和訳を量産していた.

英文読解は得意になれたわけではなかったけれども,ああいう授業の進め方のおかげで,苦手意識はなくなっていったように思う.

この先生の授業に当たったことが第二の転換点だった.



この本にあった修飾と文型の話しが,自分にとって英語の第三の転換点になった.

分からない英文でも,文型と修飾関係から文の構造を推測できることが多くなり,一文々々の意味だけでなく,文章の主題が分かるようになったのは非常に大きかった.




読めるようになったと言っても,↑ このツイートような状態だが,それでもちんぷんかんぷんのままではなく,意味をなんとか取れることが格段に多くなった.




数学死ねと思ってる人も,私の英語に対してあったアレルギーと同様,数学そのものに対してではなく,実は数学の授業・教師に対する嫌悪感だったというのも大いにあり得ると思う.




ただし,調子に乗ると,↑ こういうことがあり得るので,そこは勘違いしないようにしよう.




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2017年8月4日

数学の教科書には解答をすべて付けて欲しいという話し(ツイートまとめ)

このエントリーを書いている時点で2ヶ月ほど前のことになるが,そのときのツイートのまとめである.


詳細な回答を付けている教科書もあるが,少数派.



私の場合,教科書とネットが頼りだ.しかし,自分の求める情報が得られないことが多い.



オイ!コラ!解答付けろ!

以前にも書いたかもしれないが,解答を付けない理由が分からない.



問題だけ付けて,解答を省略するなどと言う中途半端なことをするぐらいなら,潔く,問題の方も省略するぐらいはあっていいと考えている.

問題を付けるなら解答も付ける.解答を付ける気が無いなら,最初から問題を付けない.はっきりさせた方がいい.



結局これが言いたいがための連続ツイートだった.


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「集合論」の第9版に向けての改訂作業は,(いつも通り)遅れているが,進んでます.






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2017年7月6日

集合の要素の個数(ツイートまとめ)

集合の要素の個数(濃度)について前から疑問に思っていたことツイートしたのだが,その諸々のまとめ.


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集合の相等の定義は「2つの集合 A, B に対して,A の任意の要素が B の要素であり,かつ,B の任意の要素が A の要素である」である.したがって,

  • 2つの集合 $\{a, a, a\}$ と $\{a\}$ は等しい:$\{a, a, a\} = \{a\}$. 

 ということになるのだが,それらの要素の個数;

  • このとき,$\{a\}$ の要素の個数は1個だが,$\{a, a, a\}$ の要素の個数も1個なのか?

ということがよくわからないでいた.

-

自分の感覚では $\{a, a, a\}$ の要素の個数は3個になるので,これを1個とするにはどうすべきかを考えていた.

  • 集合 $A$ の $=$ による商集合 $A\, / =$ の濃度を $A$ の濃度と考えれば,$\{a, a, a\}$ の要素の個数は1個になるか.

こんなことを書いている教科書は無い.

-

結局のところ,疑問点はこれである;

  • 2つの集合が等しいとき,それらを同一視するというが,要素の個数(濃度)まで同一視するのだろうか.

集合の相等の定義は,集合の濃度の定義に影響しないのではないかと考えていた.すなわち,互に等しい集合の濃度が異なる場合があるのではないかということ.

その一方で,互に等しい集合の要素の個数が異なることが果たしてあるのだろうかとも考えていた.

互に等しいが濃度が異なる集合が存在すれば,(当然ながら)いろんなところで矛盾が生じるだろうからだ.

-

そういうことを考えていたから,

  • まだもやもやしている.

こういう状態だった.

-

このあたりのことを注意書きとしてあればそれで良いとは考えていたのだが,そのあたりのことを書いている教科書は少数派だった.

  • 「重複した要素は1つの要素と考える」という規約を設ければそれで良いという結論. 松坂7頁・大田2頁にその旨の記述があり,上江洲13頁の例で示唆しているが,他の本(内田・亀谷・加藤・竹之内・小森・志賀・赤・松村)には見当たらなかった.

あらためて著者と署名を挙げておくと,
上記にはそういう規約を示唆する記述があった.はっきりと書いてあるのは大田春外氏の教科書のみ.他の2書は示唆する記述だった(上記3書の記述は,今回の一連のツイートをするまで見落としていた).

下記にはなかった.
見落としはあるかもしれない.

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著者の皆さんにとっては,このようなことは当たり前すぎて,書くときに意識に昇らなかったのだろうか .

  • こういうのは,暗黙の了解で済ますのではなく,規約として明記すべきだと思うんだが.

それとも,暗黙の了解として当たり前のことと考えていたのだろうか.

こういうことは明示してくれないと,私のような人間が迷子になってしまう.

-

自著「集合論」書いたときには明確な結論が出ていなかったので,スルーしたかたちになっていたのだが,

  • というわけで「集合論」次期第9版では規約として明記します.

結論が出たので,次の版で規約として追記する.





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2017年6月30日

数学の勉強には自分用の教科書を書くのが一番(ツイートまとめ)

以下ツイートまとめ+加筆修正

-

今さらだが,私が書いた「集合論」は自分用の教科書である.

集合論の独習を始めたとき,
  • 素朴集合論について一通りのことが書かれていて,
  • 記載されている定理の証明を省かずに書いている
教科書が見当たらなかった.

どちらか一方だけというのならあるんだが.

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それで,省かれた証明を求めて20冊ほど集合論の教科書を買う羽目になったことが「集合論」を書き始めるきっかけの一つ(1冊にまとめろよ,ということ).

証明ぐらい自分で考えろといわれればその通りなんだが,考えても分からなかった.

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書く際に気をつけたのは
  1. 素朴集合論について一通りのことが書かれている
  2. 定理の証明を省かない.
  3. 例え話しはいれない.
ということ.

今の段階では (1) はまだ不完全.もしかすると (2) も不完全だ.

-

特徴としては,
  • 図が無い.
  • 本文が殆ど無い.
  • 項目をはっきりさせているから,
  • 文字ばかりの割には,見た感じクッキリしている.
というところかと思っている.

勝手を言うが,図が必要なら自分で描いてくれというやつだ.

-

数学の勉強は,自分用の教科書を作るのが一番だろう.

「集合論」は自分用の教科書を作るための叩き台にはちょうどいいだろうと考えている.

他の教科書は地の文章で書かれているから,どこからどこまでが定義・定理・証明なのかが判別しにくいことがあり,自分用にまとめにくいと感じた.

-

数学の場合,市販の教科書で自分にとって完璧なのは無いから,上でも述べたが,自分で自分用の教科書を書くのが一番だと思う.

出版まで考えて書けということではないがw

メモ書き・走り書き・箇条書きの集積であっても,自分で書いたものの方が後で見返したときにわかりやすいような気がする.

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というわけで,あんな「集合論」でも自分で見ると,とてもわかりやすいのだ.



あんな「集合論」というのはこちら;




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2017年6月24日

「集合論(数学で行こう)」第8版(PDF版)

自著「集合論(数学で行こう)」の第8版のPDF版をDLmarketにて販売開始した.

DLmarketで購入


★集合論(数学で行こう)第8版 PDF版
  • 素朴集合論です.
  • 全書的な形式で記述
  • 内容はKindle版と同じ.
  • DRMはかけていない.
  • プリント可.
  • A5版
  • 243頁
  • 表紙のみカラー(2ページ目以降白黒)
  • 図はありません.
  • 文体は固いです(笑)
  • 書いてあることを鵜呑みにせず,ツッコミを入れながら読んで下さい.

  • 販売のページにて各章の冒頭4ページの「立ち読み」が出来るので,イメージはつかめるかと思います(目次・索引等を含めて約50ページ見ることができます).

★一般的な注意ではありますが,個人的な使用目的以外の複製・配布・インターネット等による公開等を禁止します.




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2017年6月2日

「集合論(数学で行こう)」第8版

自著「集合論(数学で行こう)」の第8版をAmazon Kindle にて公開した.



第8版での改訂は,一言で言うと,

  •  第5章 順序集合 を中心に再構成した.

となる.証明の不備の修正,命題・例の追加など,見直しは多岐に及んでいる.

ページ数は第7版の219頁から241頁に増えた.これは,定義の書式を変更したことが大きい.紙面を少しでも白くして,見やすくなるようにという意図からである.


-


※第7版またはそれ以前の版を購入された方が,最新の版をダウンロードするには,Amazonのサポートに依頼する必要があるようです.手順を紹介したサイト・ブログ等を「Kindle 改訂版 ダウンロード」で検索して下さい.お手数ですがよろしくお願いします.


ツイッターには色々書いたのですが,上記のこともあり,Kindle版の購入は正直いってお勧めしません.第8版が最終版なら,Kindle版をお願いします,といいたいところですが.

6月の下旬から7月上旬にPDF版を出す予定なので,そちらをお勧めします.PDF版なら,改訂版も問題なくダウンロードできますし(PDF版既購入なら,その改訂版は無償ダウンロードできる),手元に旧版と改訂版を同居させることができます(ただのPDFファイルだから当たり前!).


※本書を書いた経緯については「集合論の本(冊子)を書いた」をお読み下さい.





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2017年5月29日

「数理論理」事始め

数理論理で使う真偽の記号
$$\large\curlywedge,\,\curlyvee$$
を初めて見たときに「ヒト・ラッパ」と読んで以来,それ以外の読み方ができなかった.

たとえば,
$$A\wedge\neg A=\curlywedge\text{:AかつAでないならヒト}$$
とか
$$A\vee\neg A=\curlyvee\text{:AまたはAでないならラッパ}$$
と読んでいた(今でもそう読んでいる).

変な読み癖がついてしまったなと思っていたのだが,最近では,その読み方で違和感を感じなくなった.


慣れって大事だなと思った.


-


註)ラッパの方は,より良い読み方を模索中



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2017年5月25日

$\sqrt 2$が無理数であることの「あの」証明

手短でわかりやすい証明だと私は思うのだが.
ただ,あの証明で,無理数であることが示されたことになるのかが気になる.

あの証明で,示されたことにならないとしても,
  • 素因数分解の一意性の証明に背理法を用いているから,示されたことにならない.
というのは理由にならない.また,
  • 安部氏の主張に沿うものだから,示されたことにならない.
というのも理由にはならないだろう.

-

たとえば,試験で,
  • $\sqrt 2$ が無理数であることを証明しなさい.
という問題を出題されたとする.

私が知りたいのは,解答としてあの証明を書いた場合,正解なのか,それとも不正解なのかということだ.

背理法とは何かについて,不明瞭だから不正解だろうか.

背理法ではない証明とは何かについても不明瞭だから不正解だろうか.

-

念のため,あの証明というはこれ;
  • 2つの自然数$a,\,b,\,(a\ne b)$に対して,$aa$の素因数は偶数個,$2bb$の素因数は奇数個.したがって,$aa\ne 2bb$.ゆえに,$\dfrac{a}{b}\ne \sqrt 2$.





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2017年5月21日

「集合論(数学で行こう)」の予定など

自著「集合論(数学で行こう)」の価格改定と今後の予定など;



価格改定等
  • 05月20日,価格を改定した.¥962→¥783.
  • 読み放題で読めるのは06月23日まで.
  • 06月24日以降はダウンロード購入のみとなる.

Kindle以外の販路については,
  • 06月24日以降に,PDF版の販売を開始する.
  • 価格はKindle版とは異なる.

第8版は...
  • まだである.
  • もう少しお待ちを.
  • 誰も待っていないのは認識している.


製本版は...
  • 早くて第9版.
  • 夏にはなんとかなるはず.
  • オンデマンド印刷になるので,値段は若干高めになる.


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ついでながら,
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2017年5月10日

松坂和夫「集合・位相入門」(3)

読んでいて引っかかったところの話である.


第3章 §2 D) 整列集合の比較定理(103頁)


定理4(比較定理)の証明の中で
  • b)\(x,\,y\in J\,;\,x>y\) ならば \(f(x)>f(y)\)
  • b) によって,\(f\) は \(J\) から \(J'\) への順序同型写像である(104頁・下から6行目)
と書いてある.

(なお,証明内において,\(J,\,J'\) はどちらも整列集合である;すなわち全順序集合である.また,\(f:J\rightarrow J'\) は全単射である.)

確かに \(f\) は順序同型写像だが,同書の順序同型写像の定義;
  • \(J,\,J'\) は半順序集合
  • \(f\) は順序単射かつ全射
によれば,すぐにはそういえないはずだ( b) によれば,\(f\) は順序単射か?ということ).

というわけで,
  • \(J\) は全順序集合
  • \(J'\) は半順序集合
  • \(f:J\rightarrow J'\) は順序写像かつ全単射
の場合も順序同型写像である.なぜなら云々・・・という説明がいる.

(この定義は斎藤正彦『数学の基礎』による(22頁).)

-

齋藤の順序同型写像の定義を満たすならば,松坂の順序同型写像の定義を満たすことを証明しておく.

命題;\(A'=\left( A,\,\leqq_{A}\right)\) を全順序集合,\(B'=\left( B,\,\leqq_{B}\right)\) を半順序集合とする.写像 \(f\) が \(A'\) から \(B'\) への順序写像で,かつ全単射であるとき,\(f\) は順序同型写像である.

証明;任意の \(a,\,a'\in A'\) に対して,
  • \(f\) は順序写像であるから,\(a'\leqq_{A}a\rightarrow f(a')\leqq_{B}f(a)\) である.
  • \(f\) は単射であるから,\(a'\ne a\rightarrow f(a')\ne f(a)\) である.
したがって,\(a'<a\rightarrow f(a')<f(a)\) である.

この対偶と,\(a\) と \(a'\) は比較可能であることから,\(f(a)\leqq_{B} f(a')\rightarrow a\leqq_{A}a'\) である.

以上より,\(f\) は順序単射である.また,\(f\) は全射であったから,\(f\) は順序同型写像である.

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※私はこういうところでけつまづくのです.

ついでながら,
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2017年5月6日

松坂和夫「集合・位相入門」(2)

私がひっかっかたところの話である.


松坂和夫「集合・位相入門」第3章 §3 A) 整列集合に関する一命題(105頁)

補題1(106頁)の条件;
  • ( a ) 各\(W_{\lambda}\)に,それぞれ順序\(\leqq_{\lambda}\)が定義されている.
  • ( b ) \(\left(W_{\lambda},\,\leqq_{\lambda}\right)\),\(\left(W_{\lambda'},\,\leqq_{\lambda'}\right)\)のいずれか一方が他方の切片になっている.
に対して,証明 ( 2 ) で

  • (条件 ( b ) より)\(\left(W_{\lambda},\,\leqq_{\lambda}\right)\),\(\left(W_{\lambda'},\,\leqq_{\lambda'}\right)\)のいずれか一方が他方の切片,したがって,部分順序集合であるから,・・・

と書いてある.

この部分を読んで,本当に部分順序集合であるといえるのか? と思った.

条件 ( a ) より,\(W_{\lambda'}\)上において,\(\leqq_{\lambda}\) と \(\leqq_{\lambda'}\) は一般には異なる.
\(\left(W_{\lambda'},\,\leqq_{\lambda'}\right)\) が \(\left(W_{\lambda},\,\leqq_{\lambda}\right)\) の切片になっているとすると,ある\(a\in W_{\lambda}\)に対して,
\[
\left(W_{\lambda'},\,\leqq_{\lambda}\right) = \left(W_{\lambda},\,\leqq_{\lambda}\right) \left< a\right>
\]
 であり,
\[ \left(W_{\lambda'},\,\leqq_{\lambda}\right)\ne\left(W_{\lambda'},\,\leqq_{\lambda'}\right)
\]
 となりそうなものだ.

つい最近になって,
\[ \left(W_{\lambda'},\,\leqq_{\lambda}\right)=\left(W_{\lambda'},\,\leqq_{\lambda'}\right)
\]
となるということを,あの条件 ( b ) が示していることに気付いた.

それまでは,( b ) に「かつ部分順序集合である」という条件が必要だろうと思っていた.

-


一般的なかたちで書いておく;

\(\left(W,\,\leqq_{W}\right)\),\(\left(J,\,\leqq_{J}\right)\) を整列集合とする.

ここで,台集合 \(J\) に対して,
  • \(J\) が \(\left(W,\,\leqq_{W}\right)\) の切片である.
というとき, \(J\) は \(\left(W,\,\leqq_{W}\right)\) の部分順序集合であると考えることが多い.したがって, \(J\) を順序集合として考えるとき,\(\left(J,\,\leqq_{W}\right)\) と考えるのが自然である.

また,一般に,\(\left(J,\,\leqq_{J}\right)\ne \left(J,\,\leqq_{W}\right)\) である.

一方で,
  • \(\left(J,\,\leqq_{J}\right)\) が \(\left(W,\,\leqq_{W}\right)\) の切片である.
というとき,ある \(a\in W\) に対して,
\[
\left(J,\,\leqq_{J}\right) = \left(W,\,\leqq_{W}\right)\left< a\right>
\]
であり,
\[
\left(J,\,\leqq_{W}\right) = \left(W,\,\leqq_{W}\right)\left< a\right>
\]
である.したがって,
\[
\left(J,\,\leqq_{J}\right) = \left(J,\,\leqq_{W}\right)
\]
である.

-


※私はこういうところでけつまづくのです.

ついでながら,マストドンのほうもよろしくお願いします; @tanaka2017@mathtod.online






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2017年4月18日

内田伏一「集合と位相」

この本も,集合・位相の教科書としてあげられることが多い.



集合論の部分を読んでみて気付いた点は以下の通り;

◆集合の相等の定義に気になる部分がある

定義自体に問題はないのだが,その頭に,
  • 二つの集合 \(A,\,B\) はまったく同じ構成要素から成るとき,すなわち,・・・
とある.

2つの集合 \(A=\{a,\,a,\,b\}\) と \(B=\{a,\,b\}\) は等しいが,全く同じ構成要素からなるとはいえない(だろう).

全く同じ構成要素から成る2つの集合は等しいが,その逆,2つの集合が等しい場合でも,全く同じ構成要素から成るとは限らない.

\(A\) には要素 \(a\) が2つ含まれているが,\(B\) には要素 \(a\)は1つしか含まれていない.

これを,全く同じ構成要素から成るかと問われれば,私は否と答える.


◆写像の定義にも気になる部分がある

写像の定義の後半に,
  • \(A\) から \(B\) への写像 \(f\) の \(B\) を終域または値域という.
と書いてあるのだが,そうだろうか.

\(B\) が値域と一致する場合もあるが,一般にはそうではない.


◆本のタイトルにも気になる部分がある

位相の準備編としての集合なら,本のタイトルから集合の2文字は省略したほうがよい.

位相の頭に集合という字面をつける理由を教えてほしい.本書の場合なら,集合の字面はせいぜいでサブタイトルあたりが妥当だ.


★定理の証明は省かれていない 

当然のことだ.

ただし,問いについては,一部解答が省かれている.解答を省くぐらいなら,最初からその問いをのせなければよい.問いが簡単だから解答を省くというのは理由にならない.

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また,細かいところを書いているのだが,気になるのだからしょうがない.






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2017年3月31日

前原昭二「記号論理入門」

私が読んだのは,旧版の方である(新刊は新装版なので,改定はされていないと思う).


本書を読んでみて,気づいた点は以下の通りである;

◆何度も読み返したところが1箇所

第1章 §2「命題と命題関数」において,
  • 変数を含んでいる命題は,今は命題とは考えない
  • このように限定して考えることは,あくまでもここしばらくの話で
とあり,その直後に,
  • <変数を含む命題>はどのように考えるのか 
と述べている.

それらは,なんということもない文章なのだが,
  • 変数を含んでいる命題は,今は命題とは考えない
というのを,私は
  • その話題を後回しにする
ととらえたため,「命題関数」に置き換わった「変数を含む命題」が,その直後から頻繁に出てくることに少し混乱した.

この部分を
  • ここしばらくは「変数を含む命題」を「命題関数」と考え,命題と命題関数は別物として扱う
という風に書いてくれれば,迷うことはなかった.

(ここで,引っかかったのは私だけだろうか)


★詳しく丁寧な説明

「であります」調に違和感を感じる人がいるかもしれないが,全般に渡り,詳しく丁寧に説明してくれる教科書だ.


◆それでもわからないところがある

全体に渡り詳しい説明があるのだが,それでもわからないところがある.演繹における仮定の除去がそれである(第2章 §1).

例えば,次の演繹;

\(\dfrac{\dfrac{A\quad A\rightarrow B}{B}\quad\dfrac{A\quad A\rightarrow\left(B\rightarrow C\right)}{B\rightarrow C}}{C}\)

の場合,前提 \(A,\, A\rightarrow B,\, A\rightarrow\left(B\rightarrow C\right)\) から \(C\) が導かれるというのはわかる.しかし,そこから,

\(\dfrac{\dfrac{\overset{1}{A}\quad A\rightarrow B}{B}\quad\dfrac{\overset{1}{A}\quad A\rightarrow\left(B\rightarrow C\right)}{B\rightarrow C}}{\dfrac{C}{A\rightarrow C}\quad1}\)

として,仮定 \(A\) を除去すれば,前提 \(A\rightarrow B,\, A\rightarrow\left(B\rightarrow C\right)\) から \(A\rightarrow C\) が導かれるというが,それが妥当なのかどうかの説明がない.

この部分に説明があればよかったのだが.

鹿島亮「数理論理学」にはその辺りの説明が,詳しくなされているようだが,まだ読んでいない)


-


説明が詳しすぎて,頭の中が迷走してしまう個所も多々あるが,そこには目をつぶっている.





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2017年3月16日

鈴木晋一「集合と位相への入門」

タイトルに「集合と位相」と書いているが,そうではなさそうである.



本書を読んでみて,気づいた点は以下の通りである;

★問の解答をすべて載せている

しかも,略解ではなく,完全な解答である.

こういうことは当たり前のことであり,本来なら,良い評価にはならないはずだ.

しかし,当たり前ではない教科書が多い以上,評価せざるを得ない.


◆タイトルがおかしい

タイトルに集合とついているが,集合について述べているのは二十数ページである.
タイトルに位相とついているが,位相について述べているのは,十ページである.

タイトルにはないが,論理について9ページある.
タイトルにはないが,実数について40ページ以上ある.
タイトルにはないが,ユークリッド空間についても40ページ以上ある.

タイトルにはないから,距離空間については6ページだけ.

これなら,
実数とユークリッド空間への入門
〜 おまけで論理と集合と距離空間 〜
〜 あっ,位相は最後にほんのちょっと 〜
とした方がいい.

「位相」以外の教科書では,こういうことはないように思う.たとえば,
  • 集合と線形代数
  • 集合と代数系
  • 集合と実関数論
  • 集合と数の体系
というタイトルは見かけない.

なぜかは知らないが,「位相」に限っては,タイトルの頭に「集合」という単語をつけなければならないようである.

何か決め事でもあるのだろうか.


◆ \(n\) 次元ユークリッド空間の定義がおかしい

1次元ユークリッド空間 \(\mathbb{R}^1\) の直積 \(\mathbb{R}^n\) をユークリッド空間とよぶ,と定義したあとで,\(\mathbb{R}^n\) にユークリッドの距離を導入したものをユークリッド空間という,と定義している.

どちらがユークリッド空間なのだろうか.

1次元ユークリッド空間の直積には,ユークリッド距離が導入されていることになるのだろうか.それならば,わざわざ \(\mathbb{R}^n\) にユークリッド距離を導入する必要はない.

本書によれば,ユークリッド距離を導入してもしなくても,\(\mathbb{R}^n\) はユークリッド空間というらしいのだが,これを信頼する勇気は私にはない.

なお,距離空間の定義は,ユークリッド空間の定義とは違い,まともである.

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同著者の教科書「位相入門」の中のユークリッド空間と距離空間の定義は,本書のコピペでした.





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2017年3月13日

「集合論(数学で行こう)」第7版

自著「集合論(数学で行こう)」の第7版をAmazon Kindle にて公開した.



改訂個所は以下の通り;

★(変更個所)

  •  §3.1を数列として再構成した.

第6版で,§3.1を「数列と写像」としておきながら,「数列」を定義していないことに気づいた.
今までどこを見ていたのかと思うのだが,これも執筆とその確認を一人で行っている故だ.

また,再構成する際,族を定義してから,族の特殊なものである「列」や「数列」を定義する流れにしたかった.

列や族と写像を同一視するという考え方が(私には)ピンときていなかったので,有限列・無限列から構成的に定義し,数列の定義のあとに,写像と数列の関係について補足する方法をとった.
(書き上げたあとでは,どちらの方法でもそれほど変わらないようにも思える)


1ヶ月かけて,改訂個所がたったのそれだけかといわれると,確かにその通りだ.自分でも仕事が遅いと思う.

-

※第6版またはそれ以前の版を購入された方が,最新の版をダウンロードするには,Amazonのサポートに依頼する必要があるようです.手順を紹介したサイト・ブログ等を「Kindle 改訂版 ダウンロード」で検索して下さい.お手数ですがよろしくお願いします.

※本書を書いた経緯については「集合論の本(冊子)を書いた」をお読み下さい.




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2017年2月25日

Amazon Kindle の電子書籍改訂版のダウンロード

Amazon Kindleの電子書籍の購入後に改訂版が出た場合,既購入者は改訂版をダウンロードできない仕様のようだ.

改訂版をダウンロードするには,カスタマーサービスに申請が必要である.

Google等で「Kindle 改訂版 ダウンロード」 で検索すれば,説明のブログ・サイトが出てくる.
(私が説明するよりも,検索結果のブログ等を見る方がずっとわかりやすい.)

-
 
電子書籍なのに,その仕様はないだろうと思う.

電子書籍は,場所をとらない・持ち歩きに重さを気にしなくていよいのが利点である.

もう一つ,改訂が容易であるというのも長所だ.ただし,既購入者が最新版をダウンロードできるという仕様になっていればの話だが.

Kindleの「最新版を都度買い直せ」といわんばかりの仕様はいただけない.

改訂版を,別書籍として出版するのか,更新として無償ダウンロードさせるのかは,書き手の判断である.

また,どの版を読むかは,購入者が選択できなければならないと考える.

Amazonには,是非とも仕様を変更してもらいたい.

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最初に書いた事情がありますので,自著「集合論(数学で行こう)」の第5版またはそれ以前の版を購入された方は,お手数ですが,上記の説明のブログ等にしたがって,第6版のダウンロードの手続をお願いします.




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2017年2月12日

「集合論(数学で行こう)」第6版

自著「集合論(数学で行こう)」の第6版をAmazon Kindle にて公開した.



主な改訂個所は以下の通り;

★(変更個所)

  • 有限集合の定義を全単射を用いたものに変更し,再構成した.また§4.1.2へ移動した.
  • 有限集合の定義を再構成したことに伴い,§4.1〜4.3の構成を見直した. 
  • 対応の相等・写像の相等に関して,始集合が等しいことと終集合が等しいことが必要である旨を追加した.
  • §4.3.4「冪集合の濃度」の定理4.3.9の証明の錯誤を訂正した.
  • その他誤記の修正,文言の見直し等を行った.


※本書を書いた経緯については「集合論の本(冊子)を書いた」をお読み下さい.




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2017年2月4日

上江洲忠弘「集合論・入門」(2)

前回のエントリー()の続きである.



前回のエントリーを読み直してみて,自分でもなんだかよくわからないことになっていた.
途中を省略してまとめると次のようになる.


「集合の相等性」の定義について,「しばしば見かける定義ではまずい」と書いているが,どうマズイのかが分からない.

「相等性の公理」を認めていなかったことがマズイのだろうか.もしそうならば「集合の相等性」の定義がマズイとは書かないはずである.

おそらく「『相等性の公理』を認める必要があるが,あなた分かってますか?」ということなのだろうと,勝手に解釈した(違うか).

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以下は追記である.

★この本では,背理法が殆ど使われていない.

安部研究室HP」を見て初めて知った.それまでは気づかなかった.

教科書レベルの定理の証明では,背理法を排除すべきという意見があることは知らなかった.また,背理法を使わずに証明できるということも知らなかった(というよりも,そのことを意識したことがなかった).


★少し毛色が違う

前書きの「理論の構築過程を見せるという目的もある」というとおり,少し雰囲気の違う教科書である.

私は新鮮に感じた.

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しかし,巻末の御伽話はなんのためにあるのだろうか(読んでいない).




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2017年1月28日

上江洲忠弘「集合論・入門」

いつもより調子が上がっているかもしれない.


(集合論の部分を読んでみて…,と書こうとしたが,これは集合論の教科書であることに気づく)

◆集合の相当性とは

「集合の相等性」の定義について,「しばしば見かける定義ではまずい」と書いている.

「しばしば見かけるマズイ『集合の相等性』の定義」は,どう修正されるべきかについて,どこをどう読んでも書かれていないように見えるのは,私の読解力の不足なのだろうか.

よく読めば,「相等性の公理」を認める必要がある,ということのようだ.

「微分積分学の教科書では,筆者の好意により『相等性の公理』は成り立つものとしてあげるからOKです.でも『集合の相等性』の定義などクソですよ.だって集合論の教科書にはどこにも『相等性の公理』が成り立つって書いてないんだもん」と言いたいのだろう.

微分積分学では好意的に,集合論では敵対的にということらしい.

節のタイトルに「集合の相等性」と書きつつ,書いてあるのは「相等性の公理」である.

「相等性の公理」を認めても,「しばしば見かける集合の相等性の定義」はマズイのだろうか.そのあたりのことは何も書かれていない.

「しばしば見かける『集合の相等性』の定義」がマズイのではなく,「相等性の公理」を前提としなければ,マズイ場合があると言うことだ(と私は解釈した).一見当たり前に見える命題が証明できない.

しかしながら「微分積分学の教科書では当然成り立つものとしているはず」と書いているのだから,「集合論の教科書でも当然成り立つものとする」のが自然だろう.

言いたいこととに対して,文章の構成がちぐはぐで,そのことのほうがマズイ.

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「しばしば見かける『集合の相等性』の定義」に「等しい」という単語があることを問題にしているだけのようにも思える(私の頭では).

「外延性の公理」には「等しい」という単語はなく,「集合の相等性」の定義には,それがある.

「外延性の公理」の文言に「等しい」という単語を加えれば,それは「しばしば見かける『集合の相等性』の定義」である.そして,それはマズイ(私の読解力では,そういうことのように思える).

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集合 \(A,\,B\) が \(A=B\) であるとき,「集合 \(A\) と集合 \(B\) は等しい」といってはいけないのだろうか?

「しばしば見かける『集合の相等性』の定義」に「相等性の公理」を追加すれば,それでいいのだろうか,それでもダメなのだろうか?

「外延性の公理」を認めれば,「相等性の公理」は仮定しなくてもいいのだろうか,仮定すべきなのだろうか?

「外延性の公理」と「しばしば見かける『集合の相等性』の定義」の違いは? 関係は?

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まとめると,「集合の相等性の定義はマズイから,相等性の公理である.だからといって,集合の相等性の定義ってナニ?」ということである(違).

http://www.ma.kagu.sut.ac.jp/~abe/sub2.htmlも読んだが,「しばしば見かける『集合の相等性』のマズさ」が何を指すのかわからないでいる)

 「集合の相等性」の節だけでいいので,私にわかるように書き換えてくれないだろうか.





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2017年1月18日

ブログ「数学で行こう」

このブログについてである.


数学の本の書評について,ときに重箱の隅をつついて,嫌みな表現をしている(割と好きである).

対象になる本をこき下ろすつもりで書いているわけではない(内容に対しては上の通りだが,著者の人格には及んでいないはずである).

手を抜いていると感じるところ,不完全であると感じるところ,書き手の独りよがりではないかというところなどを指摘しているだけである(重箱の隅を重点的に).

そういうことをするなと言いたいだけだ(重箱の隅を重点的に).

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また,このブログの文体はかたい(見てのとおりである).

柔らかい文体で書いてもいいのだが,はっきりと言い切る書き方が私の好みである(多少無理があっても言い切りたい).

だから,文体は変えずにいく(突然変わるかもしれない).




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2017年1月3日

「集合論(数学で行こう)」第5版

自著「集合論(数学で行こう)」の第5版をAmazon Kindle にて公開した.



主な改訂個所は以下の通り;


★章立ての再構成

第1章「集合と写像」を分割・再構成した.


★誤記訂正

対応の相等・写像の相等の定義の錯誤を訂正した.
その他誤記を修正した.


★空集合の記号の変更

空集合を表す記号を\(\phi\)から\(\varnothing\)に変更した.


★各集合の定義の文言を統一

補足1.1にしたがい,各集合の定義の文言を「〜からなる集合」「〜を要素とする集合」に概ね統一した.




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