2018年6月14日

「集合論(数学で行こう)」第9.2.1版

 自著「集合論(数学で行こう)」の第9.2.1版を公開した.

★ 2018/06/17 9.2.1版の Kindle での販売を開始しました.

2018/06/15 14:00 現在,Kindle版のファイルのアップロードの不具合のため,Kindle版は「9.2版」のままでです.正常に作業が完了すれば,このエントリーでお知らせします. 

DLmarketで購入


【集合論(数学で行こう)第9.2.1版】
第9.2.1版では,本書内のリンク切れを修正した.また,一部,文言を修正した.

今回は,上記リンクの修正がメイン.

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改訂版のお知らせのエントリーでは毎回書いているが,個人的には,取り回しの良さでPDF版のほうが良いと思う.PDF版には,

  • 個人の範囲で印刷自由
  • テキストの選択コピー自由
  • ロックなし
  • 個人の範囲で複製自由
  • 改訂版のダウンロードが自由
  • 要はただのPDFファイル

という利点があるからだ.

改訂版のダウンロードという点でいうと,AmazonのKindleがどういう仕様になっているのかがよくわからない.購入者がサポートに依頼すれば改訂版をダウンロードできるのはわかっているが, そうしない場合はどうなのかヘルプを読んでも要領を得ない.

製本版を第10版で出す予定に変更はないが,次の改訂版が第10版になるか第9.3版になるかは,今のところ未定のままだ.




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2018年6月13日

【予告】集合論の改訂版

明日(06/14)あたり,集合論のプチ改訂版の販売開始の手続を行う予定です.

Kindle版は¥756→¥972になります.

PDF版は¥972のままです.

何度でも繰り返すけどDRM無しのPDF版をオススメ.





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2018年5月28日

群・環・体の関係みたいなもの

こういう,公式みたいなまとめ方はあまりよくないと思いつつまとめてみた.

  • 半群
    • 演算+結合律

  • 単位元付半群
    • 演算+結合律+単位元
    • 半群+単位元 

    • 演算+結合律+単位元+逆元
    • 半群+単位元+逆元
    • 単位元付半群+逆元

  • 可換半群
    • 半群+可換

  • 可換群
    • 群+可換

    • 加法:可換群
    • 乗法:単位元付半群
    • 分配律

  • 可換環
    • 加法:可換群
    • 乗法:単位元付半群+可換
    • 分配律

  • 可除環
    • 加法:可換群
    • 乗法:群
    • 分配律

    • 加法:可換群
    • 乗法:可換群
    • 分配律

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前回のエントリーを書いてる途中,手元のメモでまとめてたものを吐き出してみた.

いってみれば,確認用.これで覚えようとしてはイケないと思う.





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2018年5月26日

群・環・体の定義

 前回のエントリー「演算の定義(群・環・体の準備)」の続きである.




定義(半群).$G$ を空ではない集合とする.$G$ 上に演算 $\circ$ が定義されており,次の性質を満たしているとする;
  • 【結合律】任意の $a,\, b,\, c\in G$ に対して,$\left(a\circ b\right)\circ c=a\circ\left(b\circ c\right)$.
このとき,$\left(G,\,\circ\right)$ を半群という.


定義(単位元付半群).$G$ を空ではない集合とする.$G$ 上に演算 $\circ$ が定義されており,次の性質を満たしているとする;
  • 【結合律】任意の $a,\, b,\, c\in G$ に対して,$\left(a\circ b\right)\circ c=a\circ\left(b\circ c\right)$.
  • 【単位元】ある要素 $e\in G$ が存在して,任意の $a\in G$ に対して,$a\circ e=e\circ a=a$.
このとき,$\left(G,\,\circ\right)$ を単位元付半群という.


定義(群).$G$ を空ではない集合とする.$G$ 上に演算 $\circ$ が定義されており,次の性質を満たしているとする;
  • 【結合律】任意の $a,\, b,\, c\in G$ に対して,$\left(a\circ b\right)\circ c=a\circ\left(b\circ c\right)$.
  • 【単位元】ある要素 $e\in G$ が存在して,任意の $a\in G$ に対して,$a\circ e=e\circ a=a$.
  • 【逆元】任意の $a\in G$ に対して,ある $b\in G$ が存在して,$a\circ b=b\circ a=e$.
このとき,$\left(G,\,\circ\right)$ をという.


補足.誤解の恐れが無ければ,$\left(G,\,\circ\right)$ を単に $G$ とあらわす.


定義(可換群).$G$ を群とする.$G$ が次の性質を満たしているとする;
  • 【可換】任意の $a,\, b\in G$ に対して,$a\circ b=b\circ a$.
このとき,$G$ は可換群であるという.



定義(環).集合 $A$ に2つの演算,加法 $\left(+\right)$ と乗法 $\left(\bullet\right)$ が定義されているとする.$A$ が次の性質を満たしているとする;
  • $A$ は加法に関して可換群である;
    • 【加法の単位元】ある要素 $e_{0}\in A$ が存在して,任意の $a\in A$ に対して,$a+e_{0}=e_{0}+a=a$.
    •  【加法の逆元】任意の $a\in A$ に対して,ある$-a\in A$が存在して,$a+\left(-a\right)=-a+a=e_{0}$.
    • 【加法の結合律】任意の $a,\, b,\, c\in A$ に対して,$\left(a\circ b\right)\circ c=a\circ\left(b\circ c\right)$
    • 【加法が可換】任意の $a,\, b\in A$ に対して,$a\circ b=b\circ a$.
  • $A$ は乗法に関して単位元付半群である;
    • 【乗法の単位元】ある要素 $e_{1}\in A$ が存在して,任意の$a\in A$に対して, $a\bullet e_{1} = e_{1}\bullet a=a$.
    • 【乗法の結合律】任意の $a,\, b,\, c\in A$ に対して, $\left(a\bullet b\right)\bullet c=a\bullet\left(b\bullet c\right)$.
  • 【分配律】任意の $a,\, b,\, c\in A$ に対して,$a\bullet\left(b+c\right)=a\bullet b+a\bullet c$.
このとき,$A$ をという.


定義(可換環).$A$ を環とする.$A$ の乗法に関して,任意の $a,\, b\in A$ が可換であるとき,すなわち,$$a\bullet b=b\bullet a$$ならば,$A$ を可換環という.


定義(零元).$A$ を環とする.$A$ の加法に関する単位元 $e_{0}$ を零元という.


補足.環の零元は $0$ とあらわすことが多い.


定義(単位元).$A$ を環とする.$A$ の乗法に関する単位元 $e_{1}$ を単に単位元という.


補足.環の単位元は $1$ とあらわすことが多い.



 定義(可除環).集合 $K$ に,2つの演算,加法と乗法が定義されているとする.$K$ が次の2つの条件を満たしているとする;
  • $K$ は環である.
  • 【乗法の逆元】任意の $a\in K$ に対して,ある $a^{-1}\in K$ が存在して,$a\bullet a^{-1}=a^{-1}\bullet a=e$.
このとき,$K$ を可除環という.


補足.くだけた書き方をすれば,可除環とは
  • 加法に関して可換群であり,
  • 乗法に関して群をなし,
  • 分配律を満たすとき,
をいう.

 
定義(体).可除環 $K$ の乗法が,$K$ の任意の要素 $a,\, b$ に対して可換ならば,$K$ をという.


補足.可除環の場合と同様な書き方をすれば,体とは
  • 加法について可換群であり,
  • 乗法についても可換群をなし,
  • 分配律を満たすとき,
をいう.

-

以上,群・環・体の定義である.

演算に関する定義と,群環体の定義は分けて欲しいと思っていたし,そうしないと自分がわからない.

一般論としてはどうかわからないが,私としては,こういう順番で書いてもらうのが一番わかりやすい.






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2018年5月10日

演算の定義(群・環・体の準備)

群・環・体の定義の前に,演算についてこれぐらい書いておいてもらわないと,私にはわからないので,自分なりに演算の定義をまとめておく.

拙著「集合論」を読まれた方には見慣れた書き方と思うが,私の「書式」には本文がほとんど無く,「定義・定理・証明・補足 」が淡々と続く.以下でもその方法を踏襲している(自分で「タナカ式」とよんでいます).

なお,集合論(今回の場合は「写像」)については既知であるとして説明している.

✅手元の iPhone で確認したところ, スマホモードではTeXコードが表示され,Webモードでは,数式の表示が一部うまくいかないようです.


演算 


定義(演算).$X$ を集合とする.写像 $g:X\times X \rightarrow X$ を
  • 集合 $X$ 上の演算
という.


定義(積).集合 $X$ 上に演算 $g$ が定義されているとする.このとき,$\left(a,\, b\right)\in X\times X$ の像 $g(a,\, b)$ をといい
$$a\circ b$$
とあらわす.


補足.集合 $X$ 上に定義されている演算$g$ を,その積の記号を用いて

演算 $\circ$

とよくあらわす.


定義(単位元).集合 $X$ 上に演算 $\circ$ が定義されているとする.ある要素 $e\in X$ が存在して,任意の $a\in X$ に対して,$$a\circ e=e\circ a=a$$であるとき,$e$ を単位元という.


補足.演算 $\circ$ における単位元 $e$ を

$0$
$1$

などとよくあらわす.


定義(逆元).集合 $X$ 上に演算 $\circ$ が定義されているとする.任意の $a\in X$ に対して,ある $b\in X$ が存在して,
$$a\circ b=b\circ a=e$$
であるとき,$b$ を「$a$ の逆元」という.


補足.演算 $\circ$ における $a$ の逆元を

$-a$
$a^{-1}$

などとよくあらわす.


定義(可逆元).集合 $X$ 上に演算 $\circ$ が定義されているとする.任意の $a\in X$ に対して,$a$ の逆元が存在するならば,$a$ を可逆元という.


定義(可換).集合 $X$ 上に演算 $\circ$ が定義されているとする.任意の $a\in X$ に対して,ある $b\in X$ が存在して,

$a\circ b=b\circ a$

であるとき,「$a,\, b$ は可換である」という.


定義(結合律).集合 $X$ 上に演算 $\circ$ が定義されているとする.任意の $a,\, b,\, c\in X$ に対して,

$\left(a\circ b\right)\circ c=a\circ\left(b\circ c\right)$

であるとき,これを結合律という.


定義(分配律).集合 $X$ 上に2つの演算 $\circ,\,\diamond$ が定義されているとする.任意の $a,\, b,\, c\in X$ に対して,
$$a\diamond\left(b\circ c\right)=\left(a\diamond b\right)\circ\left(a\diamond c\right)$$
であるとき,これを分配律という.


-


以上である.


これらの定義は,群・環・体の定義の中で述べられることが多いが,私はそれを見て,どうにもスッキリせず,モヤモヤしていた.

モヤモヤの原因が何であるのかわからなかったのだが,試行錯誤するうち,演算に関する定義を抜き出して,先に述べてから,群・環・体の定義を書けば流れるように読めることがわかった.

やはり,わからないと思ったら,自分で再構成するほか無いようだ.

というわけで,次回は(多分)群・環・体の定義である.





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