2019年10月8日

ブログを引っ越します


というわけで,「数学で行こう」に引っ越します.タイトル同じかよとか言わない.

引っ越しはしますが,こちらも現状まま残しておきますので,こちらのタイトルを「数学で行こう(旧)」にします.

あちらでもマイペースで更新していきますので,よろしくお願いします.




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2019年9月11日

数理論理の Semantics と Syntax

今回は数理論理の話です.


「前原昭二『数理論理学序説』」に Semantics と Syntax の説明があるのだが,ピンと来ないし,場合によっては混乱する.

同書には,
Semantics:命題や推論の真偽や内容をもとにして研究する立場
Syntax:命題や推論の真偽や内容には触れずに,その形式上の構造にのみ着目して研究する立場
とある.

私は,この説明ではピンときていなかった.何度読んでもよく分からなかった.

上の文言に続いて,双対の原理を例として Semantics と Syntax の説明をしているのだが,わからなさ Max だった.Semantics と Syntax の違いはおろか双対の原理の説明もよくわからないダブルパンチだった.

そして,命題論理の章の最初に,
命題論理なるものを,semantics の立場において考察する.
とあり,その後に,
命題論理では,命題の内容的意味には立ち入らずに,その真偽だけを問題にする
と書いている.

私はこの部分を見て「これじゃ semantics と syntax が混ざってんじゃないの」と混乱した.

これって,ダブルパンチじゃなくてトリプルパンチじゃね?

その後,よく分からないままほったらかしにしていたのだが,そのままにしておくのはダメだろうということで,先日,手元にある数理論理や基礎論の教科書にあたってみた.

そうすると「福山克『数理論理学』」に
Semantics:形式的体系の記号に特定の意味ないしは解釈を与える方法でその体系を研究する立場
Syntax:形式的体系の記号を単なる図形として取り扱う方法でその体系を研究する立場
と書いてあって,やっとわかったような気になれた.

4-5年前に購入した前原本でモヤモヤしてたことが,20年以上積読の福山本を見たら,あっさり晴れたということです.

モヤモヤしてるなら,さっさと調べとけば良かったのですが,そのへんはまあ,ご愛嬌ということで.

---

人によれば,前原本の説明の方が分かりやすいかもしれないし,そもそも「両本ともそんな説明ではわからんぞ」というのもあるかもしれない.

私の場合は,前原本の説明で分からなかったことが,数年のうちに無意識に考えが熟成されて,もう少しでわかるというところに到達したところで,福山本の説明を見てピンときたのかもしれない.

このあたりの「わかる」の瞬間はその人のおかれている状況によって異なると思う.







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2019年8月29日

ペアノの公理と無限集合

集合論の話しは久しぶりのような気がする.
今回は,ペアノの公理を満たす集合は無限集合であることを証明します.


まずはペアノの公理から.

定義.$N$ を集合とする.$N$ が次の条件を満たすとき,$N$ をペアノの公理を満たす集合という.
  1. $1\in N$
  2. 単射 $\varphi\colon N \to N$ が存在する.
  3. $1\not\in \varphi[N]$.
  4. $N$ の部分集合 $A$ が次の条件を満たすとき,$N=A$ である,
    • $a\in A$.
    • $n\in A \Rightarrow \varphi(n)\in A$

補足.ペアノの公理を満たす集合 $N$ を定義したが,そのような $N$ が存在するとはいってない.


⬆ 例えていうなら,80点以上で合格という条件を決めても,80点以上の人がいるかどうかは別問題みたいなもの.なので,次の公理を追加するっと.


公理.ペアノの公理を満たす集合が存在する.


⬆ 無理やり感が強いが,まあこれで安心して次に進むことができる.

今回のテーマのひとつが無限集合なので,それを定義してみる.


定義(無限集合).$A$ を集合とする.$A$ のある真部分集合 $A'$ に対して,$A$ から $A'$ への全単射が存在するとき,$A$ を無限集合という.


要素が無限個あるのが無限集合ではないのかって?
君は何を言ってるんだ.無限を無限で定義して定義したことになるのかね?(煽り


補足.無限集合を定義したが,存在するとはいってない.


⬆ まあそういうことです.定義しても,その定義を満たすものが存在するかどうかは別の話し.

んで,ペアノの公理を満たす集合が存在するなら,無限集合が存在するよというのが次の命題.


命題.集合 $\mathbb{N}$ がペアノの公理を満たしているとする.このとき,$\mathbb{N}$ は無限集合である.

証明.ペアノの公理の 3. より,$\varphi[\mathbb{N}]$ は $\mathbb{N}$ の真部分集合である;$\varphi[\mathbb{N}] \subsetneq \mathbb{N}$ .

写像 $\varphi '\colon \mathbb{N}\to \varphi[\mathbb{N}]$ を $\varphi '(n) = \varphi (n)$ と定義すれば,$\varphi '$ は全単射である.

無限集合の定義より,$\mathbb{N}$ は無限集合である.□


ということで,ペアノの公理を満たす集合は無限集合であること,すなわち,無限集合が存在することがいえましたパチパチパチ


実は,ペアノの公理を満たす集合が存在することと,無限集合が存在することとは同値です.本当は,無限集合が存在するというのを公理に据えて,ペアノの公理を満たす集合が存在することを証明しようとしたのだが,証明を打ち込むのが面倒なので,ペアノの公理を満たす集合の存在を出発点にしたのでしたわはは.





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2019年7月18日

コメントの返信には時間がかかるのだ

どうでもいい話しです.

このブログにコメントをもらえるのはありがたいのですが,滅多に来ないコメントがあると,中の人は不意打ち食らったようになるので,返事には数日かかります.

無視しているわけではありません.

しかし,三日目あたりで忘れてしまうかもしれません.

ということで,当日や翌日あたりに返信があった場合は祝杯挙げて下さい.



コ メ ン ト 後 は 気 長 に 待 て




まあそういうことです.





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2019年7月9日

線型空間と基本命題

ちょっと長いです.

定義(線型空間).$V$ を空ではない集合 ,$K$ を体とする.ここで,
  • $V$ に加法 $x+y$ が定義されていて,以下の4つの条件を満たしているとする;
    • (結合律)任意の $x,y,z\in V$ に対して, $(x+y)+z=x+(y+z)$.
    • (単位元)$V$ にある要素 $0$ がただひとつ存在して,任意の $x\in V$ に対して,$x+0=x$.
    • (逆元)任意の $x\in V$ に対して,ある要素 $x'\in V$ がただひとつ存在して,$x+x'=0$.
    • (交換律)任意の $x,y\in V$ に対して, $x+y=y+x$.
  • $V$ にスカラー倍が定義されていて,次の 1. -- 4. を満たしているとする; 
    1. 任意の $x,y\in V$,$a\in K$ に対して,$a(x+y)=ax+ay$.
    2. 任意の $x\in V$,$a,b\in K$ に対して,$(ab)x=a(bx)$.
    3. 任意の $x\in V$,$a,b\in K$ に対して,$(a+b)x=ax+bx$.
    4. 任意の $x\in V$ に対して,$1x=x$.
    このとき,$V$ を $K$ 上の線型空間という.


    命題.$X$ を集合,$W$ を体 $K$ 上の線型空間とする.$X$ から $W$ へのすべての写像を要素とする集合を $F$ とする.$f,g\in F$,$a\in K$ に関して次のような演算を定義する;
    \begin{align*}
    f+g & =\{(x,\,f(x)+g(x))\mid x\in X\},\\
    af & =\{(x,\,a[f(x)])\mid x\in X\}.
    \end{align*}このとき,$F$ は $K$ 上の線型空間である.

    補足.$F$ が線型空間であるためには,$f+g$ も $af$ も,$F$ の要素であることが必要である(上ではそのように定義している).

    補足.$F$ が線型空間であるためには,定めた演算が【定義】のすべての条件を満たすことが必要である.

    ――

    以下,各条件ごとに証明します.

    証明(結合律).任意の $f,g,h\in F$,$x\in X$ に対して,
    \begin{align*}
    (f+g)+h & =\{(x,\,[f(x)+g(x)]+h(x))\mid x\in X\}\\
     & =\{(x,\,f(x)+[g(x)+h(x)])\mid x\in X\}\\
     & =f+(g+h)\end{align*}である.

    補足.$f(x),\,g(x),\,h(x)$ は $W$ の要素である.$W$ は線型空間であったから,加法に関して結合律が成立する.

    ――

    証明(単位元).$W$ の加法の単位元を $0_w$ とする.このとき,ある写像 $g_0\in F$ が存在して,$g_0 (x)=0_w$ となる;$g_0 =\{(x,\,0_w)\mid x\in X\}$.$g_0$ が $F$ の単位元であることを確認する;任意の $f\in F$ に対して,
    \begin{align*}
    f+g_0 & =\{(x,\,f(x)+g_0 (x))\mid x\in X\}\\ & =\{(x,\,f(x)+0_w)\mid x\in X\}\\
     & =\{(x,\,f(x))\mid x\in X\}\\
     & =f
    \end{align*}である.この $F$ の単位元 $g_0$ を $0_F$ とあらわすことにする.

    ――

    証明(逆元).任意の $f\in F$ に対して,$f+f'=0_F$ となるような $f'\in F$ が存在することを示す;
    \begin{align*}
    f+f' & =\{(x,\,f(x)+f'(x))\mid x\in X\}
    \end{align*}である.$f(x)$ に対して,$f(x)+(-f(x))=0_w$ を満たす $-f(x)$ が存在する.そこで,$f'(x)=-f(x)$ とすると,\begin{align*}
    f+f' & =\{(x,\,f(x)+[-f(x)])\mid x\in X\}\\
     & = \{(x,\,0_w)\mid x\in X\}\\
     & = 0_F
    \end{align*}である.次に,任意の $f\in F$ に対して,$f+f'=0_F$ となるような $f'\in F$ はただひとつであることを示す;$f+f'=0_F$,$f+f''=0_F$ であるとする($f',\,f''\in F$).このとき,
    \begin{align*}
    f'' & =(f'+f)+f''\\
     & =f'+(f+f'')\\
     & =f'
    \end{align*}となる.

    ――

    証明(交換律).任意の $f,\,g\in F$ に対して,
    \begin{align*}
    f+g & =\{(x,\,f(x)+g(x))\mid x\in X\}\\
     & =\{(x,\,g(x)+f(x))\mid x\in X\}\\
     & = g+f
    \end{align*}である.

    補足.$f(x),\,g(x)$ はともに $W$ の要素である.$W$ は線型空間であったから,加法に関して交換律が成り立つ.したがって,\[f(x)+g(x) = g(x)+f(x)\]である.

    ――

    証明( $a(f+g)=af+ag$ ).任意の $f,\,g\in V$,$a\in K$ に対して,
    \begin{align*}
    a(f+g) & =\{(x,\,a[f(x)+g(x)])\mid x\in X\}\\
     & =\{(x,\,a[f(x)]+a[g(x)])\mid x\in X\}\\
     & = af+ag
    \end{align*}である.

    ――

    証明( $(ab)f=a(bf)$ ).任意の $f,\,g\in V$,$a,\,b\in K$ に対して,
    \begin{align*}
    (ab)f & =\{(x,\,(ab)[f(x)])\mid x\in X\}\\
     & =\{(x,\,a(b[f(x)]))\mid x\in X\}\\
     & = a(bf)
    \end{align*}である.

    ――

    証明( $(a+b)f=af+bf$ ).任意の $f,\,g\in V$,$a,\,b\in K$ に対して,
    \begin{align*}
    (a+b)f & =\{(x,\,(a+b)[f(x)])\mid x\in X\}\\
     & =\{(x,\,a[f(x)]+b[f(x)])\mid x\in X\}\\
     & = af+bf
    \end{align*}である.

    ――

    証明( $1f=f$ ).任意の $f\in F$ に対して,
    \begin{align*}
    1f & = \{(x,\,1[f(x)])\mid x\in X\} \\
    & = \{(x,\,f(x))\mid x\in X\}\\
    & = f
    \end{align*}である.したがって,$1f=f$.

    補足.$1,\,f(x)$ はともに $W$ の要素である.$W$ は線型空間であったから,$1[f(x)]=f(x)$ である.


    ――――――――――


    写像と写像の和も,写像のスカラー倍も,写像で直接書けやゴルァ!というわけで,今回のような定義と証明になったのでした.

    なんていうか,$f+g$ を $(f+g)(x)=f(x)+g(x)$ で定義するといわれても,私にはピンと来ないのですな.頭の中でその二つが結びつかないのです.$f+g$ を定義するなら,\[f+g=\text{ホニャララ}\] と書いて下さいよという感じで.

    補足説明が足りない(抜けている)のだが,自分で納得できる説明が完成するのを待っていたら夏が終わってしまうような気がしたので,公開することにしました.抜けている補足は後日追加します(気分次第).







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    2019年5月11日

    論理記号「 ∧ ∨ ⇒ ¬ 」を一つの論理記号であらわしてみた

    論理記号「 $\mid$ 」の真偽値を以下のように定めてみる;

    $\begin{array}{ccc} A & B & A\mid B\\ \bigcirc & \bigcirc & \times\\ \bigcirc & \times & \times\\ \times & \bigcirc & \times\\ \times & \times & \bigcirc \end{array}$

    すると,$\lnot A$ は

    $\begin{array}{cccc} A & A & \lnot A & A\mid A\\ \bigcirc & \bigcirc & \times & \times\\ \times & \times & \bigcirc & \bigcirc \end{array}$

    より,$A\mid A$ とあらわせる.

    また,$A\lor B$ は,

    $\begin{array}{cccccc} A & B & A\lor B & A\mid B & A\mid B & \left(A\mid B\right)\mid\left(A\mid B\right)\\ \bigcirc & \bigcirc & \bigcirc & \times & \times & \bigcirc\\ \bigcirc & \times & \bigcirc & \times & \times & \bigcirc\\ \times & \bigcirc & \bigcirc & \times & \times & \bigcirc\\ \times & \times & \times & \bigcirc & \bigcirc & \times \end{array}$

    より,$\left(A\mid B\right)\mid\left(A\mid B\right)$ とあらわせる.

    んで,$A\land B \Longleftrightarrow \lnot(\lnot A \lor \lnot B)$ なので,
    \[\begin{align*} A\land B & \Longleftrightarrow\lnot\left(\lnot A\lor\lnot B\right)\\ & \Longleftrightarrow\lnot\left[\left(A\mid A\right)\lor\left(B\mid B\right)\right]\\ & \Longleftrightarrow\lnot\left\{ \left[\left(A\mid A\right)\mid\left(B\mid B\right)\right]\mid\left[\left(A\mid A\right)\mid\left(B\mid B\right)\right]\right\} \\ & \Longleftrightarrow\left\{ \left[\left(A\mid A\right)\mid\left(B\mid B\right)\right]\mid\left[\left(A\mid A\right)\mid\left(B\mid B\right)\right]\right\} \mid\\ & \qquad\qquad\left\{ \left[\left(A\mid A\right)\mid\left(B\mid B\right)\right]\mid\left[\left(A\mid A\right)\mid\left(B\mid B\right)\right]\right\} \end{align*}\]
    より,$A\land B$ は,\[\left\{ \left[\left(A\mid A\right)\mid\left(B\mid B\right)\right]\mid\left[\left(A\mid A\right)\mid\left(B\mid B\right)\right]\right\} \mid\left\{ \left[\left(A\mid A\right)\mid\left(B\mid B\right)\right]\mid\left[\left(A\mid A\right)\mid\left(B\mid B\right)\right]\right\} \]とあらわせる.

    最後に,$A\rightarrow B \Longleftrightarrow \lnot A\lor B$ なので,\[\begin{align*} A\rightarrow B & \Longleftrightarrow\lnot A\lor B\\ & \Longleftrightarrow\left(A\mid A\right)\lor B\\ & \Longleftrightarrow\left[\left(A\mid A\right)\mid B\right]\mid\left[\left(A\mid A\right)\mid B\right] \end{align*}\]より,$A\rightarrow B$ は,\[\left[\left(A\mid A\right)\mid B\right]\mid\left[\left(A\mid A\right)\mid B\right]\]とあらわせる.


    -


    いかがでしたか, 論理記号「 ∧ ∨ ⇒ ¬ 」はひとつの論理記号「 $\mid$ 」であらわせることがわかりましたね!

    皆さんも「 $\mid$ 」を使って,命題論理や述語論理を再構築してみてはどうでしょうか(面倒臭い




    今回の記事の元ネタは,瀬山士郎『はじめての現代数学』からでした.






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    2019年5月8日

    「集合論(第10版)」の訂正01

    自著「集合論」の第10版の訂正です.

    「§3.2.5 集合族の直積」の規約3.4(96頁)で,以下のように記述しました;




    この規約内の「 $A^n$, 」を削除します.

    任意の $i,\,j\in \varLambda$ に対して,$A_i = A_j$ となるとき,$A^n$ とあらわしますが,一般にはそうではないので.

    ---

    令和になったので,文体を変えました.

    集合論(第10版)へのリンク:Kindle版製本版





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    2019年4月27日

    「集合論(数学で行こう)」第10版(製本版)

     自著「集合論(数学で行こう)」の第10版の製本版の販売開始が令和元年5月1日に決定しました.

    5月1日に発売するという公約は守れた!

    現在,予約受付中です.




    【集合論(数学で行こう)第10版】

    POD版です.本屋には並びません.

    背表紙と裏表紙にも何か書いてあります.

    取り急ぎお知らせまで.




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    2019年4月16日

    「集合論(数学で行こう)」第10版

     自著「集合論(数学で行こう)」の第10版を公開した.


     集合論(数学で行こう)


    【集合論(数学で行こう)第10版】

    第10版では,
    • 第7章の加筆ならびに文言の見直し
    • その他,全体的に文言の見直し
    を行った.

    第10版ということで,当初のとおり,製本版(POD)を販売する予定だ.

    「集合論」はこの第10版で一応の完成とする(今までのは何だったのかとか言わない).

    書き切れなかった部分や,さらに補足が必要と感じた個所は,このブログで追記して行きたい.


    ---

    PDF版をDLMarketで販売していたが,同サイトの閉鎖に伴い,PDF版の販売は休止している.

    製本版は5月1日(令和元年初日!)に出版できるように頑張ります.






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    2019年2月9日

    「集合論(数学で行こう)」第9.4.1版

     自著「集合論(数学で行こう)」の第9.4.1版を公開した.


     集合論(数学で行こう)


    【集合論(数学で行こう)第9.4.1版】

    第9.4.1版では,
    • 一部文言を見直し
    を行った.

    ほぼ半年かけてチマチマと修正していると,自分でもどこを同修正したのか把握しきれず,上のように書くしかなかった.

    なお,第9.4版では,本文冒頭の二つの定義を一つに融合してしまうという初歩的なミスをやらかしたので,それを修正した第9.4.1版に差し替えた.顛末は以下の連ツイを参照;




    ---

    毎回ここでDLMarketのPDF版を推していたが,現在,同サイトが閉鎖中のため,販売できないでいる.



    製本版を第10版で出す予定に変更はない.次の改訂版が第10版になることを期待したい(他人のふり).






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    2019年1月8日

    数学お勧め本その6[アップ編2]

    下記のツイート,結構ファボってもらえたので,こちらにも転載してみた.

    以前紹介した「数学お勧め本その2[アップ編]」の続きみたいなもの.





    まずはこれから



    言わずと知れた,結城さんの人気シリーズ.

    紹介文は不要かと.


    -

    位相で迷子になった人はこれ



    位相の定義でフリーズした人はこの本でほぐしていけばいいと思います.


    -

    位相だけじゃない,集合でも迷子になっとるという人はこれ



    その先を行きたいという人は



    とか



    のあたりに行ってみよう(アップ編ではないが……


    -

    物理で迷子になったらまずはこれ



    相対論と量子力学もあって,そちらもお勧め.

    あとEMANの物理学とか物理攻略wikiとか.


    -

    物理で迷子になったr(ry



    シリーズになっているので,必要なものをチョイス.


    -

    ツイートには書かなかったが,これを挙げずにはいられない(引用リツイートで挙げてくれた方がいて,それで思い出したのはナイショ).



    私は学生時代,この本のエントロピーの部分を特に繰り返し読んでいた.


    -


    本当のことを書くと,冒頭のツイートは,お勧め本を書こうとしたわけではなく,以下の二つのツイートの前振りのつもりだった;






    まあ,そういうことです.




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    2018年12月6日

    【備忘録】対応の写像による定義

    ふと思い立ってこういうことをツイートした;


    もう少し見やすくまとめてみた;

    対応の写像による定義.$A,\,B$ を集合とし,$A'\subseteq A$ とする.このとき,写像 $g:A'\to \mathfrak{P}(B)$ を
    • $A$ から $B$ への対応
    という(以下これを $G$ とあらわす).ただし,
    \[
    G(x)=\begin{cases}
    g(x) & x\in A'\\
    \varnothing & x\not\in A'
    \end{cases}
    \]
    とする.


    補足.もとになる写像 $g$ の始集合を $A$ の部分集合としたのは,対応では,一般に始集合と定義域が一致しないことを考慮したためである.

    補足.$\mathfrak{P}(B)$ は $B$ の冪集合である.

    補足.定義が妥当かどうかは……どうなんだろうか.





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    2018年12月3日

    対応の定義に伴う基本命題

    前回のエントリー「対応の部分集合による定義」の続き,対応の(部分集合による)定義に伴う基本命題とその証明である.

    スマホで見る方は,LaTeXのソースが表示されていると思うので,一番下までスクロールして「ウェブバージョンを表示」をクリックしてみてください.

    $\newcommand{\krc}{,\,}$ $\newcommand{\KRMapByGraph}[3]{\left(#2\krc #3\krc #1\right)}$ $\newcommand{\krcc}{,\;}$ $\newcommand{\KRMap}[3]{#1:#2\to #3} \newcommand{\KRMapp}[3]{#2\overset{#1}{\longrightarrow}#3} \newcommand{\KRMapGraph}[1]{G\left(#1\right)} \newcommand{\KRSetC}[2]{\left\{#1\;\middle|\;#2\right\}} \newcommand{\KRMapImgElm}[2]{#1\left(#2\right)} \newcommand{\krEmptySet}{\varnothing} \newcommand{\KRMapTo}[2]{#1\mapsto#2} \newcommand{\KRMapMapTo}[5]{\KRMap{#1}{#2}{#3}\;;\;\KRMapTo{#4}{#5}} \newcommand{\KROrdPair}[1]{\left(#1\right)} \newcommand{\KRMapDomain}[1]{D\left(#1\right)} \newcommand{\KRMapRange}[1]{V\left(#1\right)} \newcommand{\KRMapComposite}[2]{#2\circ#1}$

    定理1.$\varGamma$ を $A$ から $B$ への対応とする.このとき,次のことが成り立つ; \[
    \KRMapDomain{\varGamma^{-1}} =\KRMapRange{\varGamma}.
    \]
    証明.対応の定義域の定義および対応の値域の定義より,
    \[
    \begin{align*}
    \KRMapDomain{\varGamma^{-1}} & =\KRSetC{b}{\KROrdPair{b\krc a}\in\KRMapGraph{\varGamma^{-1}}}\\
    \KRMapRange{\varGamma} & =\KRSetC{b}{\KROrdPair{a\krc b}\in\KRMapGraph{\varGamma}}
    \end{align*}
    \]
    である.また,逆対応の定義より,
    \[
    \KROrdPair{b\krc a}\in\KRMapGraph{\varGamma^{-1}}\Longleftrightarrow\KROrdPair{a\krc b}\in\KRMapGraph{\varGamma}
    \]
    である.したがって,$\KRMapDomain{\varGamma^{-1}}=\KRMapRange{\varGamma}$.



    定理2.$\varGamma$ を $A$ から $B$ への対応とする.このとき,次のことが成り立つ;
    \[
    \KRMapRange{\varGamma^{-1}} =\KRMapDomain{\varGamma}.
    \]
    証明.対応の定義域の定義および値域の定義より,
    \[
    \begin{align*}
    \KRMapRange{\varGamma^{-1}} & =\KRSetC{a}{\KROrdPair{b\krc a}\in\KRMapGraph{\varGamma^{-1}}}\\
    \KRMapDomain{\varGamma} & =\KRSetC{a}{\KROrdPair{a\krc b}\in\KRMapGraph{\varGamma}}
    \end{align*}
    \]
    であり,また,逆対応の定義より,
    \[
    \KROrdPair{b\krc a}\in\KRMapGraph{\varGamma^{-1}}\Longleftrightarrow\KROrdPair{a\krc b}\in\KRMapGraph{\varGamma}
    \]
    である.したがって,$\KRMapRange{\varGamma^{-1}}=\KRMapDomain{\varGamma}$.



    定理3.$\varGamma$ を $A$ から $B$ への対応とする.このとき,次のことが成り立つ;
    \[
    \left(\varGamma^{-1}\right)^{-1}  =\varGamma.
    \]
    証明.$\varGamma$ の逆対応 $\KRMap{\varGamma^{-1}}{B}{A}$ と $\varGamma^{-1}$ の逆対応 $\KRMap{\left(\varGamma^{-1}\right)^{-1}}{A}{B}$ を考える.逆対応の定義より,
    \[
    \begin{align*}
    \left(a,\,b\right)\in G\left(\varGamma\right) & \Longleftrightarrow\left(b,\,a\right)\in G\left(\varGamma^{-1}\right)\\
     & \Longleftrightarrow\left(a,\,b\right)\in G\left(\left(\varGamma^{-1}\right)^{-1}\right)
    \end{align*}
    \]
    である.したがって,$\KRMapGraph{\varGamma}=\KRMapGraph{\left(\varGamma^{-1}\right)^{-1}}$.対応の相当の定義より,$(\varGamma^{-1})^{-1}=\varGamma$.


    補足.上記,アホアホしいほど,アホ丁寧な証明だが,このぐらい書かないと私がわからないのだ.

    -

    次回のエントリーでは,写像の定義にについて書く予定.気長に待たれよ.





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    2018年12月1日

    対応の部分集合による定義

    前回のエントリー「対応と写像の定義【予告編】」の続き,対応の部分集合による定義である.

    拙著「集合論」を読まれた方には見慣れた書き方と思うが,私の「書式」には本文がほとんど無く,「定義・定理・証明・補足 」が淡々と続く.以下でもその方法を踏襲している(自分で「タナカ式」とよんでいます).

    スマホで見る方は,LaTeXのソースが表示されていると思うので,一番下までスクロールして「ウェブバージョンを表示」をクリックしてみてください.
     
    $\newcommand{\krc}{,\,}$ $\newcommand{\KRMapByGraph}[3]{\left(#2\krc #3\krc #1\right)}$ $\newcommand{\krcc}{,\;}$ $\newcommand{\KRMap}[3]{#1:#2\to #3} \newcommand{\KRMapp}[3]{#2\overset{#1}{\longrightarrow}#3} \newcommand{\KRMapGraph}[1]{G\left(#1\right)} \newcommand{\KRSetC}[2]{\left\{#1\;\middle|\;#2\right\}} \newcommand{\KRMapImgElm}[2]{#1\left(#2\right)} \newcommand{\krEmptySet}{\varnothing} \newcommand{\KRMapTo}[2]{#1\mapsto#2} \newcommand{\KRMapMapTo}[5]{\KRMap{#1}{#2}{#3}\;;\;\KRMapTo{#4}{#5}} \newcommand{\KROrdPair}[1]{\left(#1\right)} \newcommand{\KRMapDomain}[1]{D\left(#1\right)} \newcommand{\KRMapRange}[1]{V\left(#1\right)} \newcommand{\KRMapComposite}[2]{#2\circ#1}$

    定義(対応).$A\krc B$ を集合,$G$ を $A\times B$ の部分集合とする.このとき,組 $\KRMapByGraph{G}{A}{B}$ を
    • $A$ から $B$ への対応(correspondence)
    という.


    補足.対応をあらわす記号として
    \[
    f\krcc g\krcc\dots\krcc F\krcc G\krcc\dots\krcc\varGamma\krcc\dots
    \]
    などがよく用いられる(とはいうものの,$\varGamma$ 一択のような気もする).


    補足.対応 $\varGamma=\KRMapByGraph{G}{A}{B}$ を,
    \[
    \begin{align*} & \KRMap{\varGamma}{A}{B}\\ & \KRMapp{\varGamma}{A}{B}\end{align*}
    \]
    などとよくあらわす.


    定義(対応のグラフ).対応 $\varGamma=\KRMapByGraph{G}{A}{B}$ が与えられているとする.このとき,$G$ を
    • 対応 $\KRMapByGraph{G}{A}{B}$ のグラフ(graph)
    といい,
    \[
    \KRMapGraph{\varGamma}
    \]
    とあらわす.


    定義(対応による像).対応 $\KRMap{\varGamma}{A}{B}$ が与えられているとする.このとき,$a\in A$ に対して,
    \[
    \KRSetC{b}{\left(a\krc b\right)\in\KRMapGraph{\varGamma}}
    \]

    • $\varGamma$ による $a$ の(image)
    といい,
    \[
    \KRMapImgElm{\varGamma}{a}
    \]
    とあらわす.


    補足.対応 $\KRMap{\varGamma}{A}{B}$ において,$a\krc a'\in A\krc a\neq a'$ に対して,$\KRMapImgElm{\varGamma}{a}=\KRMapImgElm{\varGamma}{a'}$ であってもよい.また,$\KRMapImgElm{\varGamma}{a}=\krEmptySet$ となるような $a\in A$ が存在してもよい.


    定義(始集合).対応 $\KRMap{\varGamma}{A}{B}$ において,$A$ を
    • $\varGamma$ の始集合(initial set)
    • $\varGamma$ の始域
    などという.


    定義(終集合).対応 $\KRMap{\varGamma}{A}{B}$ において,$B$ を
    • $\varGamma$ の終集合(final set)
    • $\varGamma$ の終域
    などという.


    補足.対応 $\KRMap{\varGamma}{A}{B}$ と $a\in A$ の $\varGamma$ による像 $\KRMapImgElm{\varGamma}{a}$ を
    \[
    \KRMapMapTo{\varGamma}{A}{B}{a}{\KRMapImgElm{\varGamma}{a}}
    \]
    とあらわすことがある(のかどうかはよく知らない.写像ではよくあるが,対応ではどうなのか).


    定義(対応の相当).2つの対応 $\KRMap{\varGamma}{A}{B}$,$\KRMap{\varGamma'}{A'}{B'}$ に対して,
    \[
    \KRMapGraph{\varGamma}=\KRMapGraph{\varGamma'}\krcc A=A'\krcc B=B'
    \]
    であるとき,
    • $\varGamma$ と $\varGamma'$ は等しい
    といい,
    \[
    \varGamma=\varGamma'
    \]
    とあらわす.


    定義(逆対応).対応 $\KRMap{\varGamma}{A}{B}$ が与えられているとする.このとき,
    \[
    H=\KRSetC{\KROrdPair{b\krc a}}{\KROrdPair{a\krc b}\in\KRMapGraph{\varGamma}}
    \]
    をグラフとする対応 $\KRMapByGraph{H}{B}{A}$ を
    • $\varGamma$ の逆対応(inverse correspondence)
    といい,
    \[
    \varGamma^{-1}
    \]
    とあらわす.


    定義(対応の定義域).対応 $\KRMap{\varGamma}{A}{B}$ が与えられているとする.このとき,
    \[
    \KRSetC{a}{\KROrdPair{a\krc b}\in\KRMapGraph{\varGamma}}
    \]

    • $\varGamma$ の定義域(domain)
    といい,
    \[
    \KRMapDomain{\varGamma}
    \]
    とあらわす.


    補足.対応 $\KRMap{\varGamma}{A}{B}$ において,始集合と定義域は必ずしも一致しない.


    定義(対応の値域).対応 $\KRMap{\varGamma}{A}{B}$ が与えられているとする.このとき,
    \[
    \KRSetC{b}{\KROrdPair{a\krc b}\in\KRMapGraph{\varGamma}}
    \]

    • $\varGamma$ の値域(range)
    といい,
    \[
    \KRMapRange{\varGamma}
    \]
    とあらわす.


    補足.対応 $\KRMap{\varGamma}{A}{B}$ において,終集合と値域は必ずしも一致しない.


    定義(対応の逆像).対応 $\KRMap{\varGamma}{A}{B}$ が与えられているとする.このとき,$\varGamma^{-1}$ による $B$ の要素 $b$ の像 $\KRMapImgElm{\varGamma^{-1}}{b}$ を,
    • $\varGamma$ による $b$ の逆像(inverse image)
    • $\varGamma$ による $b$ の原像
    などという.


    定義(対応の合成).$\KRMap{\varGamma_{1}}{A}{B}$,$\KRMap{\varGamma_{2}}{B}{C}$ を対応とする.
    \[
    G=\KRSetC{\KROrdPair{a\krc c}}{^{\exists}b\in B\left(\KROrdPair{a\krc b}\in\KRMapGraph{\varGamma_{1}}\land\KROrdPair{b\krc c}\in\KRMapGraph{\varGamma_{2}}\right)}
    \]
    とする.このとき,対応 $\KRMapByGraph{G}{A}{C}$ を
    • $\varGamma_{1}$ と $\varGamma_{2}$ の合成対応
    といい,
    \[
    \KRMapComposite{\varGamma_{1}}{\varGamma_{2}}
    \]
    とあらわす.


    補足.(対応の合成の定義はこの通りらしいが,私が今ひとつピンときてないのはナイショ)


    参考文献

    -

    以上,対応の部分集合による定義である.

    なにかが抜けているような,なにかが足りないような気がしているが, そのときは適時追加します.

    次回のエントリーはおそらく,対応の部分集合の定義に伴う基本命題の証明になると思われる.気長に待たれよ.






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    2018年11月14日

    対応と写像の定義【予告編】

    今回のエントリーを書くきっかけは,自分のこのツイートだ;



    部分集合による「対応・写像」の定義は,単に「規則」を使わない定義ぐらいの認識だったが,そうなのか,そういう考え方なのかと.

    素朴集合論では,対応や写像を定義する際,「規則」として定義する(ですよね?).私の「集合論」でもそのように定義した.そして,そこから部分集合による定義へと話を進めていった.

    なぜなら,そのように定義する方が初学者にとって取っ付きやすいと考えたからだ(つまり,私にとってそれが分かりやすかった).

    なお,部分集合による対応の定義の記述はオマケ程度で,「規則」による定義が主,部分集合による定義が従,という扱いをしている.

    確認のため,集合論」を読み返してみると,対応の部分集合による定義は記述しておらず,定理と補足による説明ですませている.

    また,そのあたりは話が一直線に進んでおらず,曲がりくねっていて,見通しが悪い.

    今となっては,部分集合による定義から話しをした方が良いと考えるが,そこを書き替えると,対応と写像に関する部分を根本的に構築し直す必要がある.

    そこで,以下では,対応と写像の定義とその周辺の話を再度書くならこうなるということを記事にしたい.



    次 回 に 続 く


    -

    なお,これからその部分を考えるので,記事になるのは先になる.気長に待たれよ.





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    2018年8月6日

    「集合論(数学で行こう)」第9.3版

     自著「集合論(数学で行こう)」の第9.3版を公開した.


    DLmarketで購入


    【集合論(数学で行こう)第9.3版】
    第9.3版では,
    • 第6章の文言の見直し
    • その他の章について,一部文言の見直し
    を行った.

    ---

    以下,定期的なお知らせ;

    改訂版のお知らせのエントリーでは毎回書いているが,個人的には,取り回しの良さでPDF版のほうが良いと思う.PDF版には,

    • 個人の範囲で印刷自由
    • テキストの選択コピー自由
    • ロックなし
    • 個人の範囲で複製自由
    • 改訂版のダウンロードが自由
    • 要はただのPDFファイル

    という利点があるからだ.

    改訂版のダウンロードという点でいうと,AmazonのKindleがどういう仕様になっているのかがよくわからない.購入者がサポートに依頼すれば改訂版をダウンロードできるのはわかっているが, そうしない場合はどうなのかヘルプを読んでも要領を得ない.

    製本版を第10版で出す予定に変更はないが,次の改訂版が第10版になるか第9.4版になるかは,今のところ未定のままだ.

    といいつつも,第7章を見直して,第9.4版となると思う.




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    2018年6月14日

    「集合論(数学で行こう)」第9.2.1版

     自著「集合論(数学で行こう)」の第9.2.1版を公開した.

    ★ 2018/06/17 9.2.1版の Kindle での販売を開始しました.

    2018/06/15 14:00 現在,Kindle版のファイルのアップロードの不具合のため,Kindle版は「9.2版」のままでです.正常に作業が完了すれば,このエントリーでお知らせします. 

    DLmarketで購入


    【集合論(数学で行こう)第9.2.1版】
    第9.2.1版では,本書内のリンク切れを修正した.また,一部,文言を修正した.

    今回は,上記リンクの修正がメイン.

    ---

    改訂版のお知らせのエントリーでは毎回書いているが,個人的には,取り回しの良さでPDF版のほうが良いと思う.PDF版には,

    • 個人の範囲で印刷自由
    • テキストの選択コピー自由
    • ロックなし
    • 個人の範囲で複製自由
    • 改訂版のダウンロードが自由
    • 要はただのPDFファイル

    という利点があるからだ.

    改訂版のダウンロードという点でいうと,AmazonのKindleがどういう仕様になっているのかがよくわからない.購入者がサポートに依頼すれば改訂版をダウンロードできるのはわかっているが, そうしない場合はどうなのかヘルプを読んでも要領を得ない.

    製本版を第10版で出す予定に変更はないが,次の改訂版が第10版になるか第9.3版になるかは,今のところ未定のままだ.




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    2018年6月13日

    【予告】集合論の改訂版

    明日(06/14)あたり,集合論のプチ改訂版の販売開始の手続を行う予定です.

    Kindle版は¥756→¥972になります.

    PDF版は¥972のままです.

    何度でも繰り返すけどDRM無しのPDF版をオススメ.





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    2018年5月28日

    群・環・体の関係みたいなもの

    こういう,公式みたいなまとめ方はあまりよくないと思いつつまとめてみた.

    • 半群
      • 演算+結合律

    • 単位元付半群
      • 演算+結合律+単位元
      • 半群+単位元 

      • 演算+結合律+単位元+逆元
      • 半群+単位元+逆元
      • 単位元付半群+逆元

    • 可換半群
      • 半群+可換

    • 可換群
      • 群+可換

      • 加法:可換群
      • 乗法:単位元付半群
      • 分配律

    • 可換環
      • 加法:可換群
      • 乗法:単位元付半群+可換
      • 分配律

    • 可除環
      • 加法:可換群
      • 乗法:群
      • 分配律

      • 加法:可換群
      • 乗法:可換群
      • 分配律

     -

    前回のエントリーを書いてる途中,手元のメモでまとめてたものを吐き出してみた.

    いってみれば,確認用.これで覚えようとしてはイケないと思う.





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    2018年5月26日

    群・環・体の定義

     前回のエントリー「演算の定義(群・環・体の準備)」の続きである.




    定義(半群).$G$ を空ではない集合とする.$G$ 上に演算 $\circ$ が定義されており,次の性質を満たしているとする;
    • 【結合律】任意の $a,\, b,\, c\in G$ に対して,$\left(a\circ b\right)\circ c=a\circ\left(b\circ c\right)$.
    このとき,$\left(G,\,\circ\right)$ を半群という.


    定義(単位元付半群).$G$ を空ではない集合とする.$G$ 上に演算 $\circ$ が定義されており,次の性質を満たしているとする;
    • 【結合律】任意の $a,\, b,\, c\in G$ に対して,$\left(a\circ b\right)\circ c=a\circ\left(b\circ c\right)$.
    • 【単位元】ある要素 $e\in G$ が存在して,任意の $a\in G$ に対して,$a\circ e=e\circ a=a$.
    このとき,$\left(G,\,\circ\right)$ を単位元付半群という.


    定義(群).$G$ を空ではない集合とする.$G$ 上に演算 $\circ$ が定義されており,次の性質を満たしているとする;
    • 【結合律】任意の $a,\, b,\, c\in G$ に対して,$\left(a\circ b\right)\circ c=a\circ\left(b\circ c\right)$.
    • 【単位元】ある要素 $e\in G$ が存在して,任意の $a\in G$ に対して,$a\circ e=e\circ a=a$.
    • 【逆元】任意の $a\in G$ に対して,ある $b\in G$ が存在して,$a\circ b=b\circ a=e$.
    このとき,$\left(G,\,\circ\right)$ をという.


    補足.誤解の恐れが無ければ,$\left(G,\,\circ\right)$ を単に $G$ とあらわす.


    定義(可換群).$G$ を群とする.$G$ が次の性質を満たしているとする;
    • 【可換】任意の $a,\, b\in G$ に対して,$a\circ b=b\circ a$.
    このとき,$G$ は可換群であるという.



    定義(環).集合 $A$ に2つの演算,加法 $\left(+\right)$ と乗法 $\left(\bullet\right)$ が定義されているとする.$A$ が次の性質を満たしているとする;
    • $A$ は加法に関して可換群である;
      • 【加法の単位元】ある要素 $e_{0}\in A$ が存在して,任意の $a\in A$ に対して,$a+e_{0}=e_{0}+a=a$.
      •  【加法の逆元】任意の $a\in A$ に対して,ある$-a\in A$が存在して,$a+\left(-a\right)=-a+a=e_{0}$.
      • 【加法の結合律】任意の $a,\, b,\, c\in A$ に対して,$\left(a\circ b\right)\circ c=a\circ\left(b\circ c\right)$
      • 【加法が可換】任意の $a,\, b\in A$ に対して,$a\circ b=b\circ a$.
    • $A$ は乗法に関して単位元付半群である;
      • 【乗法の単位元】ある要素 $e_{1}\in A$ が存在して,任意の$a\in A$に対して, $a\bullet e_{1} = e_{1}\bullet a=a$.
      • 【乗法の結合律】任意の $a,\, b,\, c\in A$ に対して, $\left(a\bullet b\right)\bullet c=a\bullet\left(b\bullet c\right)$.
    • 【分配律】任意の $a,\, b,\, c\in A$ に対して,$a\bullet\left(b+c\right)=a\bullet b+a\bullet c$.
    このとき,$A$ をという.


    定義(可換環).$A$ を環とする.$A$ の乗法に関して,任意の $a,\, b\in A$ が可換であるとき,すなわち,$$a\bullet b=b\bullet a$$ならば,$A$ を可換環という.


    定義(零元).$A$ を環とする.$A$ の加法に関する単位元 $e_{0}$ を零元という.


    補足.環の零元は $0$ とあらわすことが多い.


    定義(単位元).$A$ を環とする.$A$ の乗法に関する単位元 $e_{1}$ を単に単位元という.


    補足.環の単位元は $1$ とあらわすことが多い.



     定義(可除環).集合 $K$ に,2つの演算,加法と乗法が定義されているとする.$K$ が次の2つの条件を満たしているとする;
    • $K$ は環である.
    • 【乗法の逆元】任意の $a\in K$ に対して,ある $a^{-1}\in K$ が存在して,$a\bullet a^{-1}=a^{-1}\bullet a=e$.
    このとき,$K$ を可除環という.


    補足.くだけた書き方をすれば,可除環とは
    • 加法に関して可換群であり,
    • 乗法に関して群をなし,
    • 分配律を満たすとき,
    をいう.

     
    定義(体).可除環 $K$ の乗法が,$K$ の任意の要素 $a,\, b$ に対して可換ならば,$K$ をという.


    補足.可除環の場合と同様な書き方をすれば,体とは
    • 加法について可換群であり,
    • 乗法についても可換群をなし,
    • 分配律を満たすとき,
    をいう.

    -

    以上,群・環・体の定義である.

    演算に関する定義と,群環体の定義は分けて欲しいと思っていたし,そうしないと自分がわからない.

    一般論としてはどうかわからないが,私としては,こういう順番で書いてもらうのが一番わかりやすい.






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