2017年5月29日

「数理論理」事始め

数理論理で使う真偽の記号
,

を初めて見たときに「ヒト・ラッパ」と読んで以来,それ以外の読み方ができなかった.

たとえば,
A¬A=:AかつAでないならヒト
とか
A¬A=:AまたはAでないならラッパ
と読んでいた(今でもそう読んでいる).

変な読み癖がついてしまったなと思っていたのだが,最近では,その読み方で違和感を感じなくなった.


慣れって大事だなと思った.


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註)ラッパの方は,より良い読み方を模索中



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2017年5月25日

2が無理数であることの「あの」証明

手短でわかりやすい証明だと私は思うのだが.
ただ,あの証明で,無理数であることが示されたことになるのかが気になる.

あの証明で,示されたことにならないとしても,
  • 素因数分解の一意性の証明に背理法を用いているから,示されたことにならない.
というのは理由にならない.また,
  • 安部氏の主張に沿うものだから,示されたことにならない.
というのも理由にはならないだろう.

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たとえば,試験で,
  • 2 が無理数であることを証明しなさい.
という問題を出題されたとする.

私が知りたいのは,解答としてあの証明を書いた場合,正解なのか,それとも不正解なのかということだ.

背理法とは何かについて,不明瞭だから不正解だろうか.

背理法ではない証明とは何かについても不明瞭だから不正解だろうか.

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念のため,あの証明というはこれ;
  • 2つの自然数a,b,(ab)に対して,aaの素因数は偶数個,2bbの素因数は奇数個.したがって,aa2bb.ゆえに,ab2





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2017年5月21日

「集合論(数学で行こう)」の予定など

自著「集合論(数学で行こう)」の価格改定と今後の予定など;



価格改定等
  • 05月20日,価格を改定した.¥962→¥783.
  • 読み放題で読めるのは06月23日まで.
  • 06月24日以降はダウンロード購入のみとなる.

Kindle以外の販路については,
  • 06月24日以降に,PDF版の販売を開始する.
  • 価格はKindle版とは異なる.

第8版は...
  • まだである.
  • もう少しお待ちを.
  • 誰も待っていないのは認識している.


製本版は...
  • 早くて第9版.
  • 夏にはなんとかなるはず.
  • オンデマンド印刷になるので,値段は若干高めになる.


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ついでながら,
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2017年5月10日

松坂和夫「集合・位相入門」(3)

読んでいて引っかかったところの話である.



第3章 §2 D) 整列集合の比較定理(103頁)


定理4(比較定理)の証明の中で
  • b)x,yJ;x>y ならば f(x)>f(y)
  • b) によって,fJ から J への順序同型写像である(104頁・下から6行目)
と書いてある.

(なお,証明内において,J,J はどちらも整列集合である;すなわち全順序集合である.また,f:JJ は全単射である.)

確かに f は順序同型写像だが,同書の順序同型写像の定義;
  • J,J は半順序集合
  • f は順序単射かつ全射
によれば,すぐにはそういえないはずだ( b) によれば,f は順序単射か?ということ).

というわけで,
  • J は全順序集合
  • J は半順序集合
  • f:JJ は順序写像かつ全単射
の場合も順序同型写像である.なぜなら云々・・・という説明がいる.

(この定義は斎藤正彦『数学の基礎』による(22頁).)

-

齋藤の順序同型写像の定義を満たすならば,松坂の順序同型写像の定義を満たすことを証明しておく.

命題;A=(A,A) を全順序集合,B=(B,B) を半順序集合とする.写像 fA から B への順序写像で,かつ全単射であるとき,f は順序同型写像である.

証明;任意の a,aA に対して,
  • f は順序写像であるから,aAaf(a)Bf(a) である.
  • f は単射であるから,aaf(a)f(a) である.
したがって,a<af(a)<f(a) である.

この対偶と,aa は比較可能であることから,f(a)Bf(a)aAa である.

以上より,f は順序単射である.また,f は全射であったから,f は順序同型写像である.

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※私はこういうところでけつまづくのです.

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2017年5月6日

松坂和夫「集合・位相入門」(2)

私がひっかっかたところの話である.



松坂和夫「集合・位相入門」第3章 §3 A) 整列集合に関する一命題(105頁)

補題1(106頁)の条件;
  • ( a ) 各Wλに,それぞれ順序λが定義されている.
  • ( b ) (Wλ,λ)(Wλ,λ)のいずれか一方が他方の切片になっている.
に対して,証明 ( 2 ) で

  • (条件 ( b ) より)(Wλ,λ)(Wλ,λ)のいずれか一方が他方の切片,したがって,部分順序集合であるから,・・・

と書いてある.

この部分を読んで,本当に部分順序集合であるといえるのか? と思った.

条件 ( a ) より,Wλ上において,λλ は一般には異なる.
(Wλ,λ)(Wλ,λ) の切片になっているとすると,あるaWλに対して,
(Wλ,λ)=(Wλ,λ)a

 であり,
(Wλ,λ)(Wλ,λ)

 となりそうなものだ.

つい最近になって,
(Wλ,λ)=(Wλ,λ)

となるということを,あの条件 ( b ) が示していることに気付いた.

それまでは,( b ) に「かつ部分順序集合である」という条件が必要だろうと思っていた.

-


一般的なかたちで書いておく;

(W,W)(J,J) を整列集合とする.

ここで,台集合 J に対して,
  • J(W,W) の切片である.
というとき, J(W,W) の部分順序集合であると考えることが多い.したがって, J を順序集合として考えるとき,(J,W) と考えるのが自然である.

また,一般に,(J,J)(J,W) である.

一方で,
  • (J,J)(W,W) の切片である.
というとき,ある aW に対して,
(J,J)=(W,W)a

であり,
(J,W)=(W,W)a

である.したがって,
(J,J)=(J,W)

である.

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※私はこういうところでけつまづくのです.

ついでながら,マストドンのほうもよろしくお願いします; @tanaka2017@mathtod.online






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