2019年1月8日

数学お勧め本その6[アップ編2]

下記のツイート,結構ファボってもらえたので,こちらにも転載してみた.

以前紹介した「数学お勧め本その2[アップ編]」の続きみたいなもの.





まずはこれから



言わずと知れた,結城さんの人気シリーズ.

紹介文は不要かと.


-

位相で迷子になった人はこれ



位相の定義でフリーズした人はこの本でほぐしていけばいいと思います.


-

位相だけじゃない,集合でも迷子になっとるという人はこれ



その先を行きたいという人は



とか



のあたりに行ってみよう(アップ編ではないが……


-

物理で迷子になったらまずはこれ



相対論と量子力学もあって,そちらもお勧め.

あとEMANの物理学とか物理攻略wikiとか.


-

物理で迷子になったr(ry



シリーズになっているので,必要なものをチョイス.


-

ツイートには書かなかったが,これを挙げずにはいられない(引用リツイートで挙げてくれた方がいて,それで思い出したのはナイショ).



私は学生時代,この本のエントロピーの部分を特に繰り返し読んでいた.


-


本当のことを書くと,冒頭のツイートは,お勧め本を書こうとしたわけではなく,以下の二つのツイートの前振りのつもりだった;






まあ,そういうことです.




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※ Amazonレビューとか絶対書けそうにないタイプ > タナカ

2018年12月6日

【備忘録】対応の写像による定義

ふと思い立ってこういうことをツイートした;


もう少し見やすくまとめてみた;

対応の写像による定義.$A,\,B$ を集合とし,$A'\subseteq A$ とする.このとき,写像 $g:A'\to \mathfrak{P}(B)$ を
  • $A$ から $B$ への対応
という(以下これを $G$ とあらわす).ただし,
\[
G(x)=\begin{cases}
g(x) & x\in A'\\
\varnothing & x\not\in A'
\end{cases}
\]
とする.


補足.もとになる写像 $g$ の始集合を $A$ の部分集合としたのは,対応では,一般に始集合と定義域が一致しないことを考慮したためである.

補足.$\mathfrak{P}(B)$ は $B$ の冪集合である.

補足.定義が妥当かどうかは……どうなんだろうか.





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2018年12月3日

対応の定義に伴う基本命題

前回のエントリー「対応の部分集合による定義」の続き,対応の(部分集合による)定義に伴う基本命題とその証明である.

スマホで見る方は,LaTeXのソースが表示されていると思うので,一番下までスクロールして「ウェブバージョンを表示」をクリックしてみてください.

$\newcommand{\krc}{,\,}$ $\newcommand{\KRMapByGraph}[3]{\left(#2\krc #3\krc #1\right)}$ $\newcommand{\krcc}{,\;}$ $\newcommand{\KRMap}[3]{#1:#2\to #3} \newcommand{\KRMapp}[3]{#2\overset{#1}{\longrightarrow}#3} \newcommand{\KRMapGraph}[1]{G\left(#1\right)} \newcommand{\KRSetC}[2]{\left\{#1\;\middle|\;#2\right\}} \newcommand{\KRMapImgElm}[2]{#1\left(#2\right)} \newcommand{\krEmptySet}{\varnothing} \newcommand{\KRMapTo}[2]{#1\mapsto#2} \newcommand{\KRMapMapTo}[5]{\KRMap{#1}{#2}{#3}\;;\;\KRMapTo{#4}{#5}} \newcommand{\KROrdPair}[1]{\left(#1\right)} \newcommand{\KRMapDomain}[1]{D\left(#1\right)} \newcommand{\KRMapRange}[1]{V\left(#1\right)} \newcommand{\KRMapComposite}[2]{#2\circ#1}$

定理1.$\varGamma$ を $A$ から $B$ への対応とする.このとき,次のことが成り立つ; \[
\KRMapDomain{\varGamma^{-1}} =\KRMapRange{\varGamma}.
\]
証明.対応の定義域の定義および対応の値域の定義より,
\[
\begin{align*}
\KRMapDomain{\varGamma^{-1}} & =\KRSetC{b}{\KROrdPair{b\krc a}\in\KRMapGraph{\varGamma^{-1}}}\\
\KRMapRange{\varGamma} & =\KRSetC{b}{\KROrdPair{a\krc b}\in\KRMapGraph{\varGamma}}
\end{align*}
\]
である.また,逆対応の定義より,
\[
\KROrdPair{b\krc a}\in\KRMapGraph{\varGamma^{-1}}\Longleftrightarrow\KROrdPair{a\krc b}\in\KRMapGraph{\varGamma}
\]
である.したがって,$\KRMapDomain{\varGamma^{-1}}=\KRMapRange{\varGamma}$.



定理2.$\varGamma$ を $A$ から $B$ への対応とする.このとき,次のことが成り立つ;
\[
\KRMapRange{\varGamma^{-1}} =\KRMapDomain{\varGamma}.
\]
証明.対応の定義域の定義および値域の定義より,
\[
\begin{align*}
\KRMapRange{\varGamma^{-1}} & =\KRSetC{a}{\KROrdPair{b\krc a}\in\KRMapGraph{\varGamma^{-1}}}\\
\KRMapDomain{\varGamma} & =\KRSetC{a}{\KROrdPair{a\krc b}\in\KRMapGraph{\varGamma}}
\end{align*}
\]
であり,また,逆対応の定義より,
\[
\KROrdPair{b\krc a}\in\KRMapGraph{\varGamma^{-1}}\Longleftrightarrow\KROrdPair{a\krc b}\in\KRMapGraph{\varGamma}
\]
である.したがって,$\KRMapRange{\varGamma^{-1}}=\KRMapDomain{\varGamma}$.



定理3.$\varGamma$ を $A$ から $B$ への対応とする.このとき,次のことが成り立つ;
\[
\left(\varGamma^{-1}\right)^{-1}  =\varGamma.
\]
証明.$\varGamma$ の逆対応 $\KRMap{\varGamma^{-1}}{B}{A}$ と $\varGamma^{-1}$ の逆対応 $\KRMap{\left(\varGamma^{-1}\right)^{-1}}{A}{B}$ を考える.逆対応の定義より,
\[
\begin{align*}
\left(a,\,b\right)\in G\left(\varGamma\right) & \Longleftrightarrow\left(b,\,a\right)\in G\left(\varGamma^{-1}\right)\\
 & \Longleftrightarrow\left(a,\,b\right)\in G\left(\left(\varGamma^{-1}\right)^{-1}\right)
\end{align*}
\]
である.したがって,$\KRMapGraph{\varGamma}=\KRMapGraph{\left(\varGamma^{-1}\right)^{-1}}$.対応の相当の定義より,$(\varGamma^{-1})^{-1}=\varGamma$.


補足.上記,アホアホしいほど,アホ丁寧な証明だが,このぐらい書かないと私がわからないのだ.

-

次回のエントリーでは,写像の定義にについて書く予定.気長に待たれよ.





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2018年12月1日

対応の部分集合による定義

前回のエントリー「対応と写像の定義【予告編】」の続き,対応の部分集合による定義である.

拙著「集合論」を読まれた方には見慣れた書き方と思うが,私の「書式」には本文がほとんど無く,「定義・定理・証明・補足 」が淡々と続く.以下でもその方法を踏襲している(自分で「タナカ式」とよんでいます).

スマホで見る方は,LaTeXのソースが表示されていると思うので,一番下までスクロールして「ウェブバージョンを表示」をクリックしてみてください.
 
$\newcommand{\krc}{,\,}$ $\newcommand{\KRMapByGraph}[3]{\left(#2\krc #3\krc #1\right)}$ $\newcommand{\krcc}{,\;}$ $\newcommand{\KRMap}[3]{#1:#2\to #3} \newcommand{\KRMapp}[3]{#2\overset{#1}{\longrightarrow}#3} \newcommand{\KRMapGraph}[1]{G\left(#1\right)} \newcommand{\KRSetC}[2]{\left\{#1\;\middle|\;#2\right\}} \newcommand{\KRMapImgElm}[2]{#1\left(#2\right)} \newcommand{\krEmptySet}{\varnothing} \newcommand{\KRMapTo}[2]{#1\mapsto#2} \newcommand{\KRMapMapTo}[5]{\KRMap{#1}{#2}{#3}\;;\;\KRMapTo{#4}{#5}} \newcommand{\KROrdPair}[1]{\left(#1\right)} \newcommand{\KRMapDomain}[1]{D\left(#1\right)} \newcommand{\KRMapRange}[1]{V\left(#1\right)} \newcommand{\KRMapComposite}[2]{#2\circ#1}$

定義(対応).$A\krc B$ を集合,$G$ を $A\times B$ の部分集合とする.このとき,組 $\KRMapByGraph{G}{A}{B}$ を
  • $A$ から $B$ への対応(correspondence)
という.


補足.対応をあらわす記号として
\[
f\krcc g\krcc\dots\krcc F\krcc G\krcc\dots\krcc\varGamma\krcc\dots
\]
などがよく用いられる(とはいうものの,$\varGamma$ 一択のような気もする).


補足.対応 $\varGamma=\KRMapByGraph{G}{A}{B}$ を,
\[
\begin{align*} & \KRMap{\varGamma}{A}{B}\\ & \KRMapp{\varGamma}{A}{B}\end{align*}
\]
などとよくあらわす.


定義(対応のグラフ).対応 $\varGamma=\KRMapByGraph{G}{A}{B}$ が与えられているとする.このとき,$G$ を
  • 対応 $\KRMapByGraph{G}{A}{B}$ のグラフ(graph)
といい,
\[
\KRMapGraph{\varGamma}
\]
とあらわす.


定義(対応による像).対応 $\KRMap{\varGamma}{A}{B}$ が与えられているとする.このとき,$a\in A$ に対して,
\[
\KRSetC{b}{\left(a\krc b\right)\in\KRMapGraph{\varGamma}}
\]

  • $\varGamma$ による $a$ の(image)
といい,
\[
\KRMapImgElm{\varGamma}{a}
\]
とあらわす.


補足.対応 $\KRMap{\varGamma}{A}{B}$ において,$a\krc a'\in A\krc a\neq a'$ に対して,$\KRMapImgElm{\varGamma}{a}=\KRMapImgElm{\varGamma}{a'}$ であってもよい.また,$\KRMapImgElm{\varGamma}{a}=\krEmptySet$ となるような $a\in A$ が存在してもよい.


定義(始集合).対応 $\KRMap{\varGamma}{A}{B}$ において,$A$ を
  • $\varGamma$ の始集合(initial set)
  • $\varGamma$ の始域
などという.


定義(終集合).対応 $\KRMap{\varGamma}{A}{B}$ において,$B$ を
  • $\varGamma$ の終集合(final set)
  • $\varGamma$ の終域
などという.


補足.対応 $\KRMap{\varGamma}{A}{B}$ と $a\in A$ の $\varGamma$ による像 $\KRMapImgElm{\varGamma}{a}$ を
\[
\KRMapMapTo{\varGamma}{A}{B}{a}{\KRMapImgElm{\varGamma}{a}}
\]
とあらわすことがある(のかどうかはよく知らない.写像ではよくあるが,対応ではどうなのか).


定義(対応の相当).2つの対応 $\KRMap{\varGamma}{A}{B}$,$\KRMap{\varGamma'}{A'}{B'}$ に対して,
\[
\KRMapGraph{\varGamma}=\KRMapGraph{\varGamma'}\krcc A=A'\krcc B=B'
\]
であるとき,
  • $\varGamma$ と $\varGamma'$ は等しい
といい,
\[
\varGamma=\varGamma'
\]
とあらわす.


定義(逆対応).対応 $\KRMap{\varGamma}{A}{B}$ が与えられているとする.このとき,
\[
H=\KRSetC{\KROrdPair{b\krc a}}{\KROrdPair{a\krc b}\in\KRMapGraph{\varGamma}}
\]
をグラフとする対応 $\KRMapByGraph{H}{B}{A}$ を
  • $\varGamma$ の逆対応(inverse correspondence)
といい,
\[
\varGamma^{-1}
\]
とあらわす.


定義(対応の定義域).対応 $\KRMap{\varGamma}{A}{B}$ が与えられているとする.このとき,
\[
\KRSetC{a}{\KROrdPair{a\krc b}\in\KRMapGraph{\varGamma}}
\]

  • $\varGamma$ の定義域(domain)
といい,
\[
\KRMapDomain{\varGamma}
\]
とあらわす.


補足.対応 $\KRMap{\varGamma}{A}{B}$ において,始集合と定義域は必ずしも一致しない.


定義(対応の値域).対応 $\KRMap{\varGamma}{A}{B}$ が与えられているとする.このとき,
\[
\KRSetC{b}{\KROrdPair{a\krc b}\in\KRMapGraph{\varGamma}}
\]

  • $\varGamma$ の値域(range)
といい,
\[
\KRMapRange{\varGamma}
\]
とあらわす.


補足.対応 $\KRMap{\varGamma}{A}{B}$ において,終集合と値域は必ずしも一致しない.


定義(対応の逆像).対応 $\KRMap{\varGamma}{A}{B}$ が与えられているとする.このとき,$\varGamma^{-1}$ による $B$ の要素 $b$ の像 $\KRMapImgElm{\varGamma^{-1}}{b}$ を,
  • $\varGamma$ による $b$ の逆像(inverse image)
  • $\varGamma$ による $b$ の原像
などという.


定義(対応の合成).$\KRMap{\varGamma_{1}}{A}{B}$,$\KRMap{\varGamma_{2}}{B}{C}$ を対応とする.
\[
G=\KRSetC{\KROrdPair{a\krc c}}{^{\exists}b\in B\left(\KROrdPair{a\krc b}\in\KRMapGraph{\varGamma_{1}}\land\KROrdPair{b\krc c}\in\KRMapGraph{\varGamma_{2}}\right)}
\]
とする.このとき,対応 $\KRMapByGraph{G}{A}{C}$ を
  • $\varGamma_{1}$ と $\varGamma_{2}$ の合成対応
といい,
\[
\KRMapComposite{\varGamma_{1}}{\varGamma_{2}}
\]
とあらわす.


補足.(対応の合成の定義はこの通りらしいが,私が今ひとつピンときてないのはナイショ)


参考文献

-

以上,対応の部分集合による定義である.

なにかが抜けているような,なにかが足りないような気がしているが, そのときは適時追加します.

次回のエントリーはおそらく,対応の部分集合の定義に伴う基本命題の証明になると思われる.気長に待たれよ.






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2018年11月14日

対応と写像の定義【予告編】

今回のエントリーを書くきっかけは,自分のこのツイートだ;



部分集合による「対応・写像」の定義は,単に「規則」を使わない定義ぐらいの認識だったが,そうなのか,そういう考え方なのかと.

素朴集合論では,対応や写像を定義する際,「規則」として定義する(ですよね?).私の「集合論」でもそのように定義した.そして,そこから部分集合による定義へと話を進めていった.

なぜなら,そのように定義する方が初学者にとって取っ付きやすいと考えたからだ(つまり,私にとってそれが分かりやすかった).

なお,部分集合による対応の定義の記述はオマケ程度で,「規則」による定義が主,部分集合による定義が従,という扱いをしている.

確認のため,集合論」を読み返してみると,対応の部分集合による定義は記述しておらず,定理と補足による説明ですませている.

また,そのあたりは話が一直線に進んでおらず,曲がりくねっていて,見通しが悪い.

今となっては,部分集合による定義から話しをした方が良いと考えるが,そこを書き替えると,対応と写像に関する部分を根本的に構築し直す必要がある.

そこで,以下では,対応と写像の定義とその周辺の話を再度書くならこうなるということを記事にしたい.



次 回 に 続 く


-

なお,これからその部分を考えるので,記事になるのは先になる.気長に待たれよ.





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