2017年4月18日

内田伏一「集合と位相」

この本も,集合・位相の教科書としてあげられることが多い.


集合論の部分を読んでみて気付いた点は以下の通り;

◆集合の相等の定義に気になる部分がある

定義自体に問題はないのだが,その頭に,
  • 二つの集合 A,B はまったく同じ構成要素から成るとき,すなわち,・・・
とある.

2つの集合 A={a,a,b}B={a,b} は等しいが,全く同じ構成要素からなるとはいえない(だろう).

全く同じ構成要素から成る2つの集合は等しいが,その逆,2つの集合が等しい場合でも,全く同じ構成要素から成るとは限らない.

A には要素 a が2つ含まれているが,B には要素 aは1つしか含まれていない.

これを,全く同じ構成要素から成るかと問われれば,私は否と答える.


◆写像の定義にも気になる部分がある

写像の定義の後半に,
  • A から B への写像 fB を終域または値域という.
と書いてあるのだが,そうだろうか.

B が値域と一致する場合もあるが,一般にはそうではない.


◆本のタイトルにも気になる部分がある

位相の準備編としての集合なら,本のタイトルから集合の2文字は省略したほうがよい.

位相の頭に集合という字面をつける理由を教えてほしい.本書の場合なら,集合の字面はせいぜいでサブタイトルあたりが妥当だ.


★定理の証明は省かれていない 

当然のことだ.

ただし,問いについては,一部解答が省かれている.解答を省くぐらいなら,最初からその問いをのせなければよい.問いが簡単だから解答を省くというのは理由にならない.

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また,細かいところを書いているのだが,気になるのだからしょうがない.






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